「技術士(建設部門)って、何から始めればいいの?」「一次と二次の違いがよく分からない」
技術士は、技術系の国家資格の中でも最上位に位置づけられる資格です。ただし、試験の流れが少し複雑で、受験資格や日程も分かりにくいのが実情です。
この記事では、技術士(建設部門)になるまでの流れを、日本技術士会などの公式情報をもとに整理します。一次試験・二次試験の内容、受験資格、合格率、学習の進め方まで、全体像をつかんでください。
※この記事は、公式情報と各社の解説を整理したものです。試験の詳細は年度で変わるため、受験する年度の案内を必ず確認してください。
この記事でわかること
- 技術士になるまでの流れ(一次試験→二次試験→登録)
- 一次・二次試験の内容、日程、合格率
- 二次試験の受験資格(実務経験のルート)
- 学習の進め方と、通信講座の選択肢

【結論】一次試験は誰でも受験可能。二次試験が最大の山場
| 区分 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 一次試験 | 基礎科目・適性科目・専門科目(五肢択一のマークシート) | 受験資格なし。直近の合格率は30%台 |
| 二次試験 | 筆記(記述式)と口頭試験 | 実務経験が必要。合格率は1割前後(建設部門は9%台) |
| 登録 | 二次試験に合格後、技術士として登録 | — |
一次試験は誰でも受験できる一方、二次試験は実務経験が必要で、合格率も低いのが特徴です。
一次試験に合格すると「技術士補」になる資格が得られ、二次試験の受験資格にもつながります。
技術士になるまでの流れ
技術士になるには、一般的に次の順で進みます。
- ① 一次試験に合格する(または、JABEE認定課程の修了で免除)
- ② 実務経験を積む(二次試験の受験資格を満たす)
- ③ 二次試験(筆記→口頭)に合格する
- ④ 技術士として登録する
一次試験は、年齢や学歴、実務経験に制限がありません。学生や若手のうちに合格しておくと、その後の計画を立てやすくなります。
一次試験(建設部門)の内容
試験科目と配点
| 科目 | 配点 | 解答時間 |
|---|---|---|
| 基礎科目 | 15点 | 1時間 |
| 適性科目 | 15点 | 1時間 |
| 専門科目(建設部門など1つを選択) | 50点 | 2時間 |
基礎科目は5分野から、適性科目は技術士法第4章の義務に関する事項が問われます。専門科目は、20の技術部門から1つを選びます。
合格には、全科目で50%以上の得点が必要とされています。1科目でも基準に届かなければ不合格で、高得点の科目で補うことはできません。
令和8年度の日程
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 令和8年11月22日(日) |
| 申込期間 | 6月10日~6月24日(令和8年度は終了) |
| 受験料 | 13,000円(非課税) |
| 合格発表 | 令和9年2月下旬 |
令和8年度の申込は終了しています。令和9年度は、2026年10月時点では日程が未公表です。例年は、6月ごろに申込があります。公表され次第、この記事を更新します。
一次試験の合格率の推移
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度(2025年) | 17,013人 | 5,754人 | 33.8% |
| 令和6年度(2024年) | 16,666人 | 6,233人 | 37.4% |
| 令和5年度(2023年) | 16,631人 | 6,601人 | 39.7% |
| 令和4年度(2022年) | 17,225人 | 7,264人 | 42.2% |
| 令和3年度(2021年) | 16,977人 | 5,313人 | 31.3% |
※数値は全部門の合計です。建設部門は、令和5年度で受験者8,738人、合格者3,209人、合格率36.7%でした(令和7年度の建設部門の数値は、確認できませんでした)。
二次試験(建設部門)の内容
受験資格:実務経験が必要
二次試験は、総合技術監理部門以外の部門では、次のいずれかを満たす必要があります。
- 技術士補として登録後、技術士を補助した期間が通算4年を超える
- 技術士補となる資格を得た日以降、技術士の監督のもとで業務に従事した期間が通算4年を超える
- 科学技術の専門的応用能力を要する業務に従事した期間が通算7年を超える(技術士補になる資格を得る前の期間も算入可)
大学院での期間がある場合は、2年を上限として、経験年数を短縮できる扱いがあります。詳しい条件は、日本技術士会の案内で確認してください。
筆記試験と口頭試験
| 試験 | 内容 |
|---|---|
| 筆記試験 | 必須科目と選択科目。いずれも記述式(論文) |
| 口頭試験 | 技術士としての適格性などを口述で判定。受験申込書の内容を中心に質問される。会場は東京都 |
口頭試験は、知識の確認ではなく、技術士としての適格性を見る試験とされています。申込書の記載内容や、筆記の答案についても質問されます。
※筆記の問題数や試験時間は、確認できた公式情報では見つかりませんでした。受験する年度の案内で確認してください。
令和8年度の日程(参考)
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 筆記試験 | 令和8年7月19日(日)・20日(月・祝) |
| 受験料 | 20,500円(非課税) |
| 筆記の合格発表 | 11月4日(予定) |
| 口頭試験 | 令和8年12月~令和9年1月 |
| 最終合格発表 | 令和9年3月12日(予定) |
二次試験の合格率
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度・全部門 | 24,135人 | 2,752人 | 11.4% |
| 令和7年度・建設部門 | 14,094人 | 1,304人 | 9.3% |
| 令和5年度・建設部門 | 13,328人 | 1,303人 | 9.8% |
建設部門は、受験者数が多い部門です。合格率は、全部門の平均よりやや低く、9%台で推移しています。
※令和7年度の数値は、STUDYingの掲載をもとにしています。令和5年度は、アガルートの掲載数値です。正確な数値は、日本技術士会の統計で確認してください。
学習の進め方
| 時期 | やること |
|---|---|
| 一次試験の前 | 基礎・適性・専門の過去問を中心に学習。全科目で5割以上を狙う |
| 一次合格後 | 実務経験を積みながら、技術士補の登録を検討 |
| 二次試験の約1年前~ | 受験申込書(業務経歴)の整理、論文の書き方の練習を始める |
| 筆記の後 | 合格発表を待つ間に、口頭試験の準備を始める |
二次試験は、論文を書く力と、自分の業務を説明する力が問われます。独学で進める場合も、他の人に添削してもらう機会を持つと、弱点に気づきやすくなります。
通信講座の選択肢
技術士の対策講座は、予備校や通信講座が提供しています。たとえば、SATの技術士講座は、一次・二次ともに、建設部門が対象に含まれています。
| 区分 | コース | 料金(税抜/税込) |
|---|---|---|
| 一次 | 部門別コース | 19,800円/21,780円 |
| 一次 | 基礎・適性のみ | 13,000円/14,300円 |
| 二次(2027年度) | パーフェクト講座 | 128,800円/141,680円 |
| 二次(2027年度) | 筆記試験・添削講座 | 108,800円/119,680円 |
| 二次(2027年度) | 口頭試験対策講座 | 29,800円/32,780円 |
※料金は、SAT公式サイトの掲載です。二次(2027年度)講座には、動画講義、添削(15回・業務経歴書6回含む)、模擬口頭試験などが含まれると案内されています。教育訓練給付の対象かどうかは、確認できませんでした。
申し込み前に、最新の料金と内容を公式サイトで確認してください。
他の施工管理技士の講座の選び方は、スクール・通信講座の記事一覧も参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 一次試験に受験資格はありますか?
ありません。年齢、学歴、実務経験に関係なく、誰でも受験できます。
Q2. 二次試験を受けるには、一次試験の合格が必要ですか?
原則として、一次試験の合格(または、JABEE認定課程の修了による免除)が必要です。そのうえで、実務経験などの受験資格を満たす必要があります。
Q3. 一次試験の合格に必要な点数は?
全科目で50%以上が目安とされています。基礎科目と適性科目は7.5点以上、専門科目は25点以上です。ただし、合格基準は年度ごとに公表されるため、確認してください。
Q4. 令和9年度の日程はいつ分かりますか?
2026年10月時点では、確認できませんでした。例年、一次試験は6月ごろに申込があります。公表され次第、この記事を更新します。
Q5. 独学でも合格できますか?
一次試験は、独学で取り組む人もいます。二次試験は、論文や口頭試験の対策として、添削や模擬面接のある講座を使う人もいます。自分の状況に合わせて選んでください。
まとめ
技術士は、一次試験→実務経験→二次試験(筆記・口頭)→登録の順に進みます。
- 一次試験は受験資格なし。合格率は30%台で、全科目5割以上が必要
- 二次試験は実務経験が必要。建設部門の合格率は9%台
- 令和8年度の一次試験は11月22日。令和9年度の日程は未公表
- 二次は論文と口頭試験。添削や講座の活用も選択肢
次の記事では、一次試験(建設部門)の対策や、二次試験の論文対策を、順に解説していきます。