「試験まであと1ヶ月、今から何をすればいいのか分からない」「直前期に新しい教材に手を出すべき?」――宅建士試験の直前期に差しかかると、多くの受験生がこうした焦りを感じ始めます。
結論からお伝えします。直前期にやるべきことは、新しいことを増やすのではなく、「今までやってきたことの精度を上げる」ことに尽きます。直前期の過ごし方一つで、当日の得点が数点単位で変わることも珍しくありません。
この記事では、令和8年度(2026年度)宅建士試験(2026年10月18日実施)に向けて、直前1ヶ月・直前1週間・前日・当日それぞれでやるべきこと、そして直前期にやってはいけないことまで詳しく解説します。
「直前期」とはいつからを指すのか
一般的に、宅建士試験における「直前期」とは、試験日から逆算して1ヶ月前後の期間を指します。
令和8年度試験は2026年10月18日(日)実施のため、9月中旬以降がまさに直前期にあたります。
直前期は、これまで積み上げてきたインプットを最大限アウトプットにつなげるための「仕上げの期間」です。
新しい知識を増やすフェーズではなく、既知の知識を確実に得点へ変換するフェーズだと意識を切り替えることが、直前期の最も重要なポイントです。
直前1ヶ月でやるべきこと
総復習と模試による現在地の把握
直前1ヶ月でまず行うべきは、模試や過去問を通じて、今の自分の実力を客観的に把握することです。
分野ごとの正答率を出し、権利関係・宅建業法・法令上の制限・税その他のどこが弱いのかを数値で可視化しましょう。
宅建業法は出題数が最も多く得点源にしやすい分野のため、宅建業法で満点近くを狙える状態に仕上げておくことが、直前1ヶ月の最優先事項です。
権利関係は満点を狙うより、頻出論点に絞って「取れる問題を確実に取る」戦略に切り替えましょう。
苦手分野を「捨てる勇気」を持つ
直前1ヶ月の段階で、極端に苦手な分野(例:権利関係の難問化しやすい論点)は、深追いせず思い切って優先順位を下げる判断も必要です。
残り時間が限られる中では、伸びしろの大きい分野に時間を再配分するほうが、総得点は伸びやすくなります。
法改正点の最終チェック
宅建試験は、その年の4月1日時点で施行されている法令が出題対象となるため、直前期には最新の法改正点を必ず確認しておきましょう。
特に宅建業法や税制は改正が入りやすい分野です。予備校各社が公開している法改正まとめのコラムを活用し、テキストの記載が古くなっていないか確認しておくと安心です。
直前1週間でやるべきこと
直前1週間に入ったら、新しい問題集に手を出すのではなく、これまで解いてきた過去問・模試の「解き直し」に集中するフェーズに切り替えます。
具体的には、間違えた問題・迷った問題だけをまとめたノートやマーキングした過去問を、繰り返し解き直すことが最も効果的です。
初見の問題を新たに解くよりも、一度間違えた問題を「なぜ間違えたのか」まで含めて完全に潰しておくほうが、本番での得点に直結します。
生活リズムも本番仕様に整えていきましょう。試験は13:00〜15:00に実施されるため、その時間帯に頭がフル回転する状態を作っておくことが重要です。
直前1週間は、試験と同じ時間帯に過去問を解く「時間割トレーニング」を取り入れるのもおすすめです。
試験前日にやるべきこと・やってはいけないこと
試験前日は、新しい知識を詰め込む日ではなく、コンディションを整える日と位置づけましょう。
やるべきことは、持ち物の最終確認(受験票、筆記用具、腕時計、身分証明書など)、試験会場までのルートと所要時間の確認、そしてこれまで使ってきた要点まとめノートの軽い見直し程度です。
逆に、前日に新しい問題集や模試に手を出すのは避けましょう。
前日に解けなかった問題があると、不安だけが増幅されて本番のパフォーマンスに悪影響を及ぼしかねません。
前日は早めに就寝し、万全の体調で試験当日を迎えることを最優先してください。
試験当日の過ごし方
試験当日は、集合時刻(12:30、登録講習修了者は12:40)に余裕を持って到着することを心がけましょう。
交通機関の遅延なども想定し、早めに家を出ることをおすすめします。
試験開始までの待ち時間は、新しい論点に手を出すのではなく、自分が作った要点まとめノートや、間違えやすいポイントの最終確認に使いましょう。
試験中は、まず宅建業法や法令上の制限など得意分野から解き始め、権利関係のような時間のかかる問題は後回しにするなど、自分なりの解答順序を事前に決めておくと、時間配分のミスを防げます。
直前期にやってはいけない3つのこと
1つ目は、直前期に新しい教材や問題集に手を出すことです。
直前期は「広げる」のではなく「絞る」フェーズです。今まで使ってきた教材の完成度を上げることに集中しましょう。
2つ目は、苦手分野を最後まで深追いすることです。
特に権利関係の難問は、時間対効果が悪くなりがちです。直前期こそ、得意分野で確実に得点する戦略に徹しましょう。
3つ目は、生活リズムを崩すことです。
直前期になるほど焦って夜遅くまで勉強したくなりますが、睡眠不足は思考力・集中力を確実に低下させます。
試験当日にベストパフォーマンスを発揮するためにも、直前期こそ規則正しい生活リズムを維持することが重要です。
大手予備校の直前対策講座を活用する
「自分の弱点が正確に把握できているか不安」「直前期に何を優先すべきか、客観的な判断がほしい」という場合は、通信講座各社が提供する直前対策講座やオプション講座を活用するのも一つの選択肢です。
大手予備校では、直前期だけを切り取った単発講座や、その年の出題傾向を踏まえた予想模試を、通年カリキュラムとは別に単体で提供しているケースが多くあります。
独学をベースにしながら、直前期だけプロの分析を取り入れる、というハイブリッドな使い方をする受験生も少なくありません。
特に、自分の弱点分析や、直前期にどの分野を優先すべきかの判断に自信が持てない方にとっては、こうした講座が「最後の一押し」になることがあります。
代表的な予備校の直前対策講座を簡単に紹介します。
TACは、「直前対策シリーズ」としてオプション講座を単体で提供しており、直前期の要点整理から予想論点の演習まで、必要な部分だけをピンポイントで受講できます。
LEC東京リーガルマインドは、長年の分析実績に基づく直前予想模試に定評があり、本試験に近い出題形式で最終確認をしたい受験生に向いています。
アガルートアカデミーは、映像講義を中心としたオンライン完結型で、直前対策講座もスマホ・PCで場所を選ばず受講できる手軽さが特徴です。
フォーサイトは、フルカラーテキストと過去問分析に強みを持つ通信講座で、直前期向けの単元別まとめ講座を、通年カリキュラムの受講者以外にも提供しています。
正直、もう講座が終わらない見通しであれば無理に受けない方がいいです。
いずれの講座も、内容や実施時期は年度によって変わるため、申し込み前に必ず各社の公式サイトで最新情報を確認してください。
通信講座全体の比較や、独学との向き不向きについては、宅建士の勉強法・通信講座比較で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。
時間がない人向け・市販の直前対策テキストという選択肢
「講座に申し込む時間もお金もかけられないが、直前期の総仕上げ教材だけは欲しい」という方には、市販の直前予想模試・直前対策本を1冊仕上げるという方法もあります。
その年の出題予想に基づいて作られた直前予想模試は、直前1〜2週間の総仕上げ教材として活用しやすいのが特徴です。
代表的なシリーズとしては、以下のようなものが毎年発売されています。
直前予想模試は、あれこれ手を広げず1冊に絞って繰り返し解くのが基本です。
時間がない中で複数冊に手を出すと、どれも中途半端に終わってしまいます。購入する際は、必ずその年(令和8年度)に対応した最新版であることを確認してから選びましょう。
必要な勉強時間の目安については、宅建士の勉強時間はどれくらい必要?もあわせてご覧ください。
試験終了後は、宅建士試験の解答速報2026で自己採点にご活用ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 直前期はいつから意識すればいいですか?
A. 一般的には試験日の1ヶ月前が目安です。令和8年度試験(2026年10月18日実施)の場合、9月中旬以降が直前期にあたります。
この時期からは、新しい知識のインプットよりも、既存の知識をアウトプットに変換する演習中心の学習に切り替えましょう。
Q2. 直前期でも新しい問題集を解いたほうがいいですか?
A. おすすめしません。直前期、特に直前1週間は、これまで解いてきた過去問・模試の解き直しに集中したほうが効果的です。
初見の問題を増やすより、一度間違えた問題を完全に潰すほうが、得点に直結します。
Q3. 前日は何をすればいいですか?
A. 持ち物の最終確認、会場までのルート確認、これまでのまとめノートの軽い見直し程度にとどめましょう。
新しい問題に手を出すのは避け、早めに就寝してコンディションを整えることを最優先してください。
Q4. 試験当日、どの分野から解くべきですか?
A. 決まったルールはありませんが、宅建業法や法令上の制限など、比較的短時間で確実に得点しやすい分野から解き始め、権利関係のような時間のかかる問題は後回しにする受験生が多い傾向にあります。
事前に自分なりの解答順序を決めておくと、本番での時間配分のミスを防げます。
まとめ|直前期は「広げる」より「絞る」
宅建士試験の直前期は、新しい知識を増やす時期ではなく、これまで積み上げてきた知識の精度を上げ、確実に得点へつなげる仕上げの時期です。
直前1ヶ月は総復習と苦手分野の見極め、直前1週間は過去問の解き直し、前日はコンディション調整に徹しましょう。
「広げるのではなく絞る」という意識を持って直前期を過ごせば、これまでの学習の成果を本番で最大限発揮できます。
あなたの宅建士試験合格を、心から応援しています。