一級建築士の予備校や通信講座は、決して安くない。
総合資格学院や日建学院の学科・製図セット講座は50〜80万円台、通信講座でも数万円〜20万円前後の費用がかかる。
そこで活用したいのが「教育訓練給付金」だ。
条件を満たせば講座費用の最大70%が国から支給される制度で、うまく使えば数十万円単位のコスト削減につながる。
しかし「自分は対象になるのか」「どの講座に使えるのか」「申請手順が複雑そうで難しい」と感じて、活用できていない人が多い。
この記事では、一級建築士受験生が教育訓練給付金を使うために必要な情報をすべて整理する。一級建築士取得にかかる費用の全体像については【2025年最新】一級建築士になるまでの費用は本当に高い?総額シミュレーションと賢く抑える5つの方法もあわせて参考にしてほしい。
教育訓練給付金とは?一級建築士受験生が知っておくべき基本

教育訓練給付金は、働く人のスキルアップを支援するために厚生労働省が設けた制度だ。
対象となる講座を受講・修了した場合に、費用の一部がハローワークから支給される。
一般教育訓練給付金と専門実践教育訓練給付金の違い
教育訓練給付金には大きく2種類ある。一級建築士関連の講座が該当するのはどちらかを正確に理解しておくことが重要だ。
| 種類 | 給付率 | 上限額 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練給付金 | 受講費用の20% | 10万円 | 資格取得を目的とした比較的短期の講座 |
| 専門実践教育訓練給付金 | 受講費用の50〜70% | 年間40〜56万円 | 長期・専門的な資格取得を目的とした講座 |
一級建築士の通信講座・予備校講座の多くは「一般教育訓練給付金」の対象になっているケースが中心だ。
ただし講座によって給付の種別が異なるため、受講前に必ず確認する必要がある。それをこれから案内する。
受給できる条件(雇用保険の加入期間など)
教育訓練給付金を受給するには、以下の条件を満たしている必要がある。
受給資格の主な条件
【初めて給付金を利用する場合】
・雇用保険の被保険者期間が通算1年以上あること
・受講開始日時点で在職中、または離職後1年以内であること
【2回目以降に利用する場合】
・前回の給付金受給から3年以上経過していること
・雇用保険の被保険者期間が通算3年以上あること
会社員として雇用保険に加入していれば、多くの場合は条件を満たしている。
パートタイムや契約社員でも、週20時間以上の勤務で雇用保険に加入していれば対象になる。自分が受給資格を持つかどうかは、最寄りのハローワークで確認できる。
一級建築士の講座で給付金は使えるか

対象になる講座の種類
教育訓練給付金の対象講座は、厚生労働省が指定した「指定講座」に限られる。
一級建築士関連では以下のような講座が対象になっていることが多い。
| 講座・スクール | 給付金の対象 | 備考 |
|---|---|---|
| 総合資格学院 | 一般教育訓練給付金 | 学科・製図講座が対象になるケースあり |
| 日建学院 | 一般教育訓練給付金 | コースによって異なる |
| スタディング | 一般教育訓練給付金 | 対象コースを公式サイトで要確認 |
| その他通信講座 | 講座によって異なる | 厚生労働省の指定講座検索で確認 |
対象講座かどうかは、厚生労働省の「教育訓練給付制度 講座検索」サイトで「一級建築士」と検索すれば一覧で確認できる。申し込み前に必ず確認する習慣をつけてほしい。
各講座の詳細な比較は【2026年最新】一級建築士通信講座11選と合格する勉強法を解説にまとめているので参考にしてほしい。
対象外になるケースと注意点
給付金を使えないケースもある。事前に把握しておくことでトラブルを防げる。
給付金が使えない主なケース
・雇用保険の被保険者期間が不足している
・受講する講座が指定講座に含まれていない
・受講開始前にハローワークで手続きを行っていない(事前手続きは必須)
・講座を修了せずに途中退会した場合(給付対象外になる)
・離職後1年を超えてから受講を開始した場合
特に注意が必要なのは「受講開始前の事前手続き」が必須という点だ。
受講後に申請しようとしても、事前手続きをしていなければ給付金は受け取れない。この点を見落としている人が非常に多いので、必ず受講前にハローワークへ行くことを覚えておいてほしい。
実際にいくら戻るのか|給付額のシミュレーション

具体的にどれくらいの金額が戻ってくるのか、講座別にシミュレーションしてみる。
| 講座例 | 受講費用(目安) | 給付率 | 給付額(目安) | 実質負担額 |
|---|---|---|---|---|
| 総合資格学院(学科) | 約30万円 | 20% | 約6万円 | 約24万円 |
| 日建学院(学科+製図) | 約60万円
| 20% | 約10万円(上限) | 約50万円 |
| スタディング(通信) | 約7万円 | 20% | 約1.4万円 | 約5.6万円 |
一般教育訓練給付金の上限は10万円のため、費用が50万円以上の高額講座でも戻るのは最大10万円になる。
一方で、スタディングのような低価格通信講座の場合は給付率20%がそのまま適用され、実質負担をさらに下げやすい。
費用対効果の観点では、通信講座に給付金を組み合わせるのが最もコスパが高い選択になりやすい。
総合資格学院の料金体系の詳細は総合資格の一級建築士講座の料金は本当に高い?2025年最新の金額と割引方法を徹底解説で解説している。
教育訓練給付金の申請手順・流れ

受講前にすべきこと(ハローワークへの事前手続き)
給付金を受け取るには、受講開始前にハローワークで「教育訓練給付金の受給資格確認」を行う必要がある。この手続きを省略すると、受講後に申請しても給付金を受け取れないため、最初のステップとして必ず実施してほしい。
step
1受講する講座が指定講座かどうかを確認する
厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で対象講座かどうかをチェックする。
step
2最寄りのハローワークで受給資格の確認を行う
雇用保険被保険者証・本人確認書類・マイナンバーが確認できる書類を持参する。
受講開始日の1ヶ月前までに手続きを完了させることが望ましい。
step
3講座に申し込み、受講を開始する
申し込み時に「教育訓練給付金を利用する」旨をスクール・講座事業者に伝える。事業者から「教育訓練修了証明書」などの書類が後日発行される。
受講後の申請手順
講座を修了した後、修了日の翌日から1ヶ月以内にハローワークへ給付金の申請を行う必要がある。
この期限を過ぎると給付金を受け取れなくなるため注意が必要だ。
・教育訓練給付金支給申請書(ハローワーク窓口またはオンラインで入手)
・教育訓練修了証明書(受講した事業者から発行)
・領収書(受講費用の支払いを証明するもの)
・本人確認書類・雇用保険被保険者証
申請後、通常1〜2ヶ月程度で給付金が振り込まれる。
申請で失敗しないための3つのポイント
1. 受講前に必ずハローワークへ行く(事前手続きなしでは給付不可)
2. 領収書は必ず保管する(クレジットカードの明細では不可の場合あり)
3. 修了後1ヶ月以内に申請する(期限を過ぎると無効)
給付金を使いながら選ぶ通信講座の選び方

教育訓練給付金を最大限活用するために、講座選びの際に意識したいポイントを整理する。
給付金対象かどうかを最初に確認する
どれだけ内容が良い講座でも、給付金の指定を受けていなければ対象外になる。
講座を選ぶ際は、まず厚生労働省の検索システムで指定講座かどうかを確認することを最初のステップにしてほしい。
費用と給付額のバランスで選ぶ
給付金の上限は10万円のため、高額講座ほど自己負担の絶対額は大きくなる。
費用を抑えた通信講座に給付金を組み合わせる方が、実質負担を最小化しやすい。
スタディング一級建築士講座の詳細はスタディング一級建築士講座の評判を徹底検証|合格者の口コミと現役建築士のレビューで確認できる。
独学と通信講座どちらが向いているかで判断する
給付金が使える通信講座に絞って選ぶことで、独学より低コストで体系的な学習環境を手に入れられる。
ただし、自分の学習スタイルや残り期間によって最適な選択肢は異なる。独学の限界については一級建築士は独学でどこまで通用する?限界を感じた時のチェックリストと「課金」の判断基準も参考にしてほしい。
まとめ:受講前の一手間で最大10万円を取り戻す
教育訓練給付金は、条件を満たしていれば誰でも使える制度だ。にもかかわらず、知らずに講座を申し込んでしまい、後から「使えたのに」と気づくケースが後を絶たない。
受講前にハローワークへ行くという一手間で、最大10万円を取り戻せる。
一級建築士の受験は長期戦になりやすいからこそ、使える制度はすべて活用して費用負担を減らしておくことが重要だ。
教育訓練給付金活用のポイントまとめ
1. 受講前に厚生労働省の検索システムで指定講座かどうかを確認する
2. 受講開始前にハローワークで受給資格の確認手続きを行う(必須)
3. 講座修了後1ヶ月以内にハローワークへ申請する
4. 給付金対象の通信講座は、費用を抑えながら合格を目指す最善の選択肢になる
一級建築士取得までにかかる費用の全体像は【2025年最新】一級建築士になるまでの費用は本当に高い?総額シミュレーションと賢く抑える5つの方法で詳しくまとめているので、費用計画の参考にしてほしい。
