ココがポイント
この記事を読むことで宅建士試験の難しさが分かり、その試験構造に大してどう対応すれば良いか分かります。
宅建士試験の合格率は実際に低い?
国家資格として難易度の高い試験とされる「宅地建物取引士資格試験」。実際にどのくらい難しいのか近年の合格率とともに解説していきましょう。
実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和5年度 | 233,276 | 40,025 | 17.2% |
令和4年度 | 226,048 | 38,525 | 17.0% |
令和3年度(12月) | 24,965 | 3,892 | 15.6% |
令和3年度(10月) | 209,749 | 37,579 | 17.9% |
令和2年度(12月) | 35,261 | 4,610 | 13.1% |
令和2年度(10月) | 168,989 | 29,728 | 17.6% |
令和元年度 | 220,797 | 37,481 | 17.0% |
上記の表から分かるように30万人前後の受験者数のうち毎年3万〜4万人程度の方が合格しています。合格率は毎年15%〜18%ほどで推移しているので、やはり難易度の高い国家資格であることは間違いありません。
宅建士試験の合格率が低い3つの理由
では、なぜ宅建士試験の合格率がこれほど低いのは、以下のような3つの理由があります。それでは、詳しく見てきましょう。
- 受験資格がなく誰でも受けられるから
- 出題範囲が広く解きにくい問題が多いから
- 合格者数が一定になるよう調整されているから
受験資格がなく誰でも受けられるから
国家資格には一定水準の受験資格が設けられており、建築関連資格として挙げられる、
- 一級建築施工管理技士
- 一級建築士
といったこれらの資格には一定の実務経験や学歴が求められています。しかし、宅建士試験には実務経験もなく学歴も求められていないことから、誰でも受けられる資格として注目されているのです。
誰でも受けられるということは以下のような受験者もいるということ。つまり、
- 会社から取得するよう言われてとりあえず申し込んだ
- 不動産関連の仕事についていないけど、キャリアチェンジのために取得したい
- 資格コレクターとして試しに受験して取得したい
こうした様々な背景事情から勉強量がそれぞれ異なるため、全体の受験者の出来具合にばらつきがあるのです。そのため、宅建士試験は上記に挙げた建築関連資格に比べ、受験者数が多いこともあり合格率が低くなっています。
建築関連資格の受験者数
- 一級建築施工管理技士…受験者数(第一次:24,078人 第二次:14,391人)
- 一級建築士…受験者数(学科:28,118人 製図:10,238人)
つまり、受験者数が多い⇒受験者内の知識・勉強量が不均一である⇒(受験者数が多いのに)合格点に達する人が少ない⇒合格率が低くなることに繋がるのです。
出題範囲が広く解きにくい問題が多いから
宅建士は民法をはじめ、宅地建物に関する取引の規制など幅広い知識が求められます。
出題範囲は以下のとおり。
…他にも借地借家法、不動産登記法、不動産区分所有法など
・宅建業法(20問)
…宅建業者や宅地建物取引士の仕事上のルール
・法令上の制限(8問)
…都市計画法や建築基準法といった住んでいる街に関する知識
・その他関連知識(8問)
…不動産に関する税金制度、住宅ローン、不動産に関する情勢など
特に宅建士試験では、法律に関する問題が過半数を占めており、慣れない専門用語に悪戦苦闘する受験者数も少なくありません。
問題形式は択一式なので「一つ選択すれば正解できるかも」と思われるかもしれませんが、ひっかけ問題が多くサラッと覚えるだけでは太刀打ちできなくなっています。
宅建士試験の問題が難しい理由
- 暗記量が多く、覚えるのが大変
- 慣れない専門用語が頭に入らない
- 専門の計算問題があり、混乱しやすい
- ひっかけ問題に引っかかってしまう など
合格者数が一定になるよう調整されてるから
宅建士試験では、受験者の平均点数によって合格点を調整する相対評価形式を採用しています。
相対評価を採用しているのは、国家資格としての地位の確立や受験者の質の向上といった理由からだとされています。
本試験前から合格点を公開している絶対評価形式とは異なり、受験者の出来栄えによって変動するため「いかに自分の勉強量を増やして知識を高めるか」が、合格圏内に入るかが決まるのです。
つまり…
- 受験者の出来栄えがよくない…合格点が下がる
- 受験者の出来栄えがいい…合格点が上がる
なので、思ったよりできた!人が不合格になっていたり、ぜんぜんできなかった人が実は合格していたりするのです。
宅建士試験の構造について
宅建試験の問題は一見、だいたいの難易度を想定した問題を50問さらっと出しているように見えますが、そうではありません。
実は宅建試験の問題構成はかなり緻密に作られているのです。
まずはこの事を受け入れる必要があります。資格学校の模試はここまでのクオリティかどうか分かりません。ただ、大手資格学校の難易度は近いかもしれないです。
その緻密さは具体的にどういったものなのか。
それは次の項目でお話しします。これを知ることで合格率も頷けると思います。
【体験談】私が宅建士試験の答え合わせした時
私は宅建試験を数回受けて合格しました。結構、苦戦した記憶があります。
今の宅建試験はおおよそ38が安定ラインと言われてきています。少し過去より合格ラインも上がっている印象です。(難易度はそこまで変わっていない)
そんな中、合格した年の本試験の採点結果サービスをTACにお願いしました。(自己採点もあったら怖いので)
私が受けた年は合格ラインが35点で36点の得点で、ギリギリ合格する事ができました。
それに加えて各設問の受験者の正答率も掲載されていました。
なんと解けていた問題はほぼ7割正解で、間違えた問題2割前後でした。これが綺麗に当てはまっていました。
なにが言いたいのか、それは以下の2点。
- 過去問で解答できる問題は間違えてはいけない。
- 新しい問題は本当に誰にも分からない。(正答率は0%〜10%程度)
これが本試験で私が経験した内容です。
勉強すれば8割〜9割取れるという資格ではないという事です。
宅建士試験の攻略法(勉強法)
宅建試験の勉強方法は戦略と根気が必要です。膨大な量から出題されることから、簡単な資格試験ではないことは確かです。
そこで今回の記事では宅建試験の攻略法も併せて解説します。
宅建試験の勉強時間ってどのくらい必要かという質問が多いので解説します。
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宅建士試験の合格率は低くても勉強すれば合格できる!
今回は、宅建士試験の合格率の低い理由や低くてもどのポイントをおさえたら合格できるのかを解説していきました。
宅建士試験の合格率の低さは、以下のような理由からだとお話しました。
- 合格率を一定に保つため、合格者の点数が毎年調整されている
- 出題範囲が広く、ひっかけ問題につまづく
- 受験資格がないので受験者の質にバラつきがある
問題自体の難易度が年々難しくなっているというわけではないので、いかに自分の知識を深めるか、過去問題を解いて難解な問題に慣れるかが合格のポイントとなるでしょう。
現役の宅建士の方とコラボして解説している記事もありますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
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