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【製図試験】トレース時間を30分短縮する10のコツ!作図スピードを劇的に上げる手順と道具術

製図トレース

ネックス

【経歴】
建築学科卒→大手ハウスメーカー→大手インフラ
【保有資格】
一級建築士・宅地建物取引士・1級建築施工管理技士、他改修資格等
【当ブログの実績】
・PV数10,000/月
・独自サポート教材200部の提供実績

製図試験は、「頭の良さ」よりも「手の速さ」で勝負が決まることが多いです。

エスキスで正解の間取りを組み立てた時点で、あなたは「正確な答え」を持っています。しかし、その答えを5時間で紙に写し終わらなければ、点数になりません。

もっと率直に言えば、製図試験で不合格になった人の多くが「エスキスは正解だった」という経験をしています。

つまり、「知っていたのに書けなかった」という不合格です。

 

これは、知識の問題ではなく、「手の速さと手順の効率」の問題なのです。

そして、ここに良いニュースがあります。トレーススピードは、「才能」で決まるものではありません。「手順の効率化」と「道具の使いこなし」で、誰でも劇的に上げられるものです。

 

私自身、最初の受験では作図が間に合わず、記述も途中で終わってしまいました。

しかし、その経験から手順と道具を徹底的に見直した結果、2回目の受験では作図時間を約30分短縮し、記述も余裕を持って書き上げることができました。

本記事では、その「無駄を削ぎ落とした作図術」を徹底解説します。今日から使えるテクニックを、全部公開します。

こんな方におすすめ

  • エスキスは終わったのに、作図が間に合わなくて不合格になるのが怖い
  • 周りの受験生が描き終わっているのに、自分だけ取り残されて焖る
  • 枚数を重ねれば、本当に早くなるの?不安だ。。

 

トレース時間が遅い人に共通する「3つの原因」

まず、「なぜトレースが遅いのか」という根本原因を見つけましょう。

原因を分かっていなければ、対策も意味になりません。

 

長年、受験生の作図を見てきた中で、トレースが遅い人には、共通するパターンがあります。

最初の原因は、「手順の迷い」です。「次にどこを描くか」を考える時間が長いのです。

柱を描いた後、「次は壁にしるか、梁にしるか、開口に進むか」と考え込んでしまい、その「思考のロスタイム」が積み重なって、最後に時間が切れてしまいます。

 

次の原因は、「道具のロス」です。三角定規を使って縦線を描いた後、テンプレートに持ち替えて円を描き、また三角定規に戻る——この「持ち替え」の回数が多いほど、時間を無駄に使います。

 

私の最初の受験では、1時間あたりに道具を持ち替える回数を数えたところ、40回以上でした。

最後の原因は、「完璧主義」です。「フリーハンドで少しぶれた」「線が重なっている」と気になって、消して描き直す。

この消す・描き直す動作がどれだけ時間のロスかを、多くの受験生は理解していません。消しゴムを使う1回の動作は、約3〜5秒かかります。1枚の製図で消しゴムを使う回数が100回を超えると、合計500秒=約8分のタイムロスになります。

この3つの原因を「手順の改善」「道具の最適化」「テクニックの強化」で解決していきましょう。

 

【手順編】迷いを消す作図フロー

作図が遅い最大の原因は、「次にどこを描くか」という迷いです。

この迷いを消すためには、「決めたルールに従って描く」という「作図フロー」を事前に決めておくことが重要です。

 

「横線→縦線」の徹底:定規を動かす回数を最小限にする

まず理解しておくべき原理として、「定規を動かす回数の最小化」があります。

三角定規を使って横線を描く時、定規を上下に移動させて、複数の横線を一気に描くことができます。

 

しかし、途中で「縦線を描こう」と思ったら、定規を90度回転させる必要があります。この「回転・移動」の動作は、実は非常に時間がかかるものです。

そのため、「横線を一気に描く→縦線を一気に描く」という、「横→縦」のリズムで作図すると、定規の動きが最小限になります。

 

これだけで、1階のフロア図を描く時間が約2〜3分短縮されます。

私は、「横3回、縦3回」のリズムで作図するルールを自分で決めていました。

「今は横を描く時間だ」という時には、縦線のことは一切考えない。「今は縦を描く時間だ」という時には、横線のことは一切考えない。

この「交互に描く」リズムが迷いを消した。

一気に描く「一斉作図法」:各階をバラバラに描かない

 

次に重要なのが、「同じパーツを一気に描く」という「一斉作図法」です。

多くの受験生は、「1階の柱を描く→1階の壁を描く→1階の開口部を描く→2階に移動→2階の柱を描く…」という順番で描きます。

しかし、これは効率が悪いです。なぜなら、「1階」と「2階」で視点を移動させるたびに、集中力がリセットされるからです。

 

一斉作図法では、「全階の柱を一気に描く→全階の壁を一気に描く→全階の開口部を一気に描く」という順番にします。

柱は、どの階でも同じパターンで配置されることが多いため、「柱を描く」という動作に集中しながら、全階を一気に消化できます。

 

これにより、「柱を描く」「壁を描く」「開口部を描く」という動作のスイッチが減り、手と脳の動きが流れるようになります。

文字・寸法線は最後にまとめて:ペンを持ち替える回数を減らす

もう一つの手順の工夫として、「文字や寸法線は最後にまとめて描く」ということです。

作図の途中で「ここに室名を書く」「ここに寸法線を引く」と都度書いていると、シャープペンから定規に持ち替える回数が増えます。

逆に、「文字と寸法線は最後にまとめて」と決めると、「描く動作」と「書く動作」を分離でき、ペンの持ち替えが大幅に減ります。

 

私は、「作図の前半は描くだけ」「後半は書くだけ」という、前後半で動作を分けていました。

前半は定規やテンプレートを使って図を描き続ける。後半はシャープペンだけで室名や寸法、キャプション等をまとめて書く。この「分離」が、手の動きをスムーズにしてくれました。

 

【道具編】1分1秒を削り出す!時短のためのカスタマイズ

道具の選び方と使い方が、作図スピードに大きく影響します。

ここでは、合格者が実践している道具のカスタマイズを紹介します。

フローティングディスク:定規の移動をスムーズに

フローティングディスクとは、三角定規の下に貼る撥水性の高いディスクです。

これを貼ると、三角定規の移動がスムーズになり、「定規を動かす」動作にかかる時間と力が大幅に減ります。

また、滑り止め側と滑りやすい側の使い分けも重要です。定規を「固定したい時」には滑り止め側を下にし、「素早く移動させる時」には滑りやすい側を下にすると、動作の切り替えが瞬時になります。

定規を動かす動作がこれまでの半分の力で動くようになり、腕の疲れも大幅に減りました。特に、5時間という長時間の試験では、腕の疲れは命取りです。

 

また、フローティングディスクを貼ることで定規と製図用紙の間に隙間が生まれるので、汚れがつきにくくなります。

つい、濃く嗅いたが故に芯の粉があるということも必ずあります。そのリスクもフローティングディスクは拭い去ってくれます。

 

テンプレートの「取っ手」自作:持ち替えスピードをコンマ数秒上げる

テンプレート(円や特殊な形を描くためのガイド板)は、薄くて小さいため、急いでいる時に「あれ、どこに置いたかな」と探してしまうことがあります。

そこで、テンプレートの端にマスキングテープを折り返して貼り、「取っ手」を作るのです。

 

この取っ手があると、テンプレートを「掴む」動作が素早くなり、持ち替えのタイムロスが消えます。

コンマ数秒の差かと思いますが、この動作を1日に数十回繰り返すと、合計で1〜2分の短縮になります。

ドーム形状や階梯の形など、テンプレートを何種類も使う場合は、それぞれに色分けしたマスキングテープを貼ると、「間違えたテンプレートを使った」という失敗も防げます。

シャープペンの使い分け(0.5mm/0.7mm/0.9mm):筆圧調整の手間を省く

シャープペンの芯の太さを使い分けることで、「筆圧を調整する手間」を省けます。

下書き(軽い線)には0.5mm、本線(しっかりした線)には0.7mm、強調したい線や見出しの文字には0.9mmを使うと、「今の筆圧でどのくらいの線になるか」を毎回考える必要がなくなります。

重要なのは、「使い分けのルールを一度決めたら、徹底する」ことです。「何で今日は線が薄いんだろう」と気になって描き直す動作がなくなれば、消しゴムの使用回数も減ります。

私は、0.5mm(下書き)・0.7mm(本線・図の線)・0.9mm(キャプション・見出し)の3種類を、常に右手の近くに並べていました。「次はどのペンか」と考える時間がゼロになりました。

三角定規とバンコの使い分け:どっちが自分に合うかを見極める

三角定規とバンコ(直線を引くためのガイド板)は、どちらも「直線を描く」道具ですが、使いこなし方が異なります。

三角定規は、縦線と横線を「角度を変えて」描く時に便利です。

一方、バンコは直線だけを「大量に引く」時に高速で引けます。

どちらが自分に合うかは、練習しなければ分かりません。両方を試して、「自分の手に合う」方を選んでください。私は三角定規派でしたが、周りの合格者には「バンコの方が絶対に速い」と言う人も多かったです。

最終的には「自分の感覚」が一番の判断材料になります。

 

【テクニック編】クオリティを下げずに「手を抜く」技術

「手を抜く」と聞いて嫌な感じがする人がいますが、製図試験における「手を抜く」は、「無駄な動作を削る」ということです。

採点には影響しない箇所で時間を使っていたら、その時間を削る。これが、テクニック編の本質です。

フリーハンドの有効活用:植栽や家具は定規を使わない勇気

植栽のマーク、便器、浴槽、家具の配置——これらは、定規を使って正確に描く必要がありません。

採点者は「ここに植栽があるな」「ここに浴槽があるな」という存在の有無を確認するだけです。

 

つまり、「正確さ」よりも「分かりやすさ」が重要です。

フリーハンドで「それらしく」描けば十分です。

これだけで、定規やテンプレートを持ち替える回数が大幅に減り、時間を節約できます。

最初は「フリーハンドで描くのは不安」と感じるかもしれません。しかし、練習すると「フリーハンドの方が速く、見た目もそこそこ」と気づきます。勇気を持って、定規を置く場面を増やしましょう。

 

「線の端部」を追いかけない:少し突き抜けるくらいが丁度いい

完璧主義の受験生がやりがちなのが、「線の端部が正確に合わせる」ことにこだわることです。壁の線と柱の線が「正確に交わっている」ことに時間を使って、一気に描く勢いが途切れてしまう。

実は、少し突き抜けるくらいは、採点には影響しません。

むしろ、「確実に交わっている」ことが分かりやすい線の方が、採点者には読みやすいと言われています。

「完璧な交差」よりも「確実に読みやすい線」を優先しましょう。少し突き抜けた線は、「自信に満ちた線」に見えます。

 

消しゴムの使用を最小限に:描き直しをしないための「薄い下書き」術

消しゴムを使う動作は、思っていたよりも時間がかかります。

消しゴムを取り出す、ゴシゴシ消す、消しゴムの屑を払う、また描く——この一連の動作は、最低でも5〜10秒かかります。これを100回やると、500〜1,000秒=8〜16分のタイムロスになります。

消しゴムを使わないためには、「最初から薄い線で下書きにする」ことが重要です。

0.5mmのシャープペンで軽く描いた線は、後で「本線」に上書きすることで、消す必要がなくなります。

「薄い下書き→太い本線へのトレース」という2段階で描くと、「間違えたら消す」という動作がほぼなくなります。

私は、「下書きは0.5mm、本線は0.7mm」で描いていました。下書きが薄いため、本線を描いた後に「薄い下書きが見える」という問題も起きませんでした。

 

練習あるのみ!「部分トレース」でスピード感覚を養う

いくつのテクニックを知っていても、練習なしでは使いこなせません。ただし、「1枚丸ごと描く」練習は、時間がかかりすぎて続けられないものです。

そこで、「部分トレース」という練習法があります。

「柱だけを描く」「階梯だけを描く」「外部柱と外壁だけを描く」という、「一部分だけ」のトレースを繰り返す方法です。

 

1つの「部分」だけなら、5〜10分で完了します。

「柱だけ描く」のタイムアタックを10回やれば、柱を描く動作が「体に染み込む」のです。

 

この「部分トレース」で、まず「自分の苦手なパーツ」を特定しましょう。

「階梯は描けるが、開口部の描き方が遅い」「外部柱は素早いが、内部柱に時間がかかる」といった苦手なパーツを特定し、そこに集中的に練習します。1つのパーツに対して、20%だけスピードアップさせれば、全体の作図時間に大きな影響が出ます。

 

また、毎日15分だけでも「線を引く」ウォーミングアップを続けましょう。「今日は練習する時間がない」という日でも、15分は確保できます。ウォーミングアップとして、定規を使って横線と縦線を交互に引く。

それだけでいい。「手の動き」は、体の動きと同じように、「毎日少しでも動かす」ことで維持できます。

製図試験の全体対策については、一級建築士 製図試験「記述」対策の完全攻略ガイドで詳しく解説しています。

エスキスと作図の時間配分の考え方も含めて、全体の戦略を確認しておくことをおすすめします。

 

まとめ:作図が早ければ「エスキス」に時間を割ける

製図試験は、「エスキス→作図→記述」の3つのパーツで構成されます。この3つのうち、「作図」が最も時間を取るパーツです。

しかし、作図がどれだけ早くなっても、エスキスで正解を組み立てられなければ意味がありません。

逆に言えば、作図が早くなれば、「エスキスに使う時間を増やす」ことができます。

 

エスキスに時間がある=正確な間取りを組み立てられる=作図も正確になる=記述も時間が残る。この「良のサイクル」が、製図試験の合格の鍵です。

スピードは「心の余裕」を生みます。「時間が残ある」という実感があると、焦らず正確に描けます。

焦らないと、ミスが減ります。ミスが減ると、消しゴムを使わなくなる。消しゴムを使わなくなると、さらに時間が余る。この正のサイクルに入れば、製图試験は必ず攻略できます。

 

道具と手順を最適化して、6.5時間の戦いを制しましょう。

一級建築士の法規対策についても、【建築士試験】法規の点数が爆上がりする「効率的な条文暗記術」と勉強のコツで詳しく解説しています。

製図試験だけでなく、学科試験の対策も全体的に把握しておくことが、最終的な合格への道になります。

また、勉強の途中で辛くなった時には、【一級建築士】1,000時間の独走を支える!モチベーションを維持する7つの習慣とメンタル戦略も読んでみてください。

スピードの練習は、心が折れた時には続けられません。メンタルの維持と作図スピードの強化は、両輪で進めていくことが重要です。

最後に、全体の勉強スケジュールについては、一級建築士の合格に必要な勉強時間は?独学で目指す最適な学習スケジュールと勉強法で確認しておくことをおすすめします。

製図の練習をいつから始めるか、学科と製図のバランスをどう取るかなど、全体の戦略が見えると、日々の練習も目標を持って続けられます。

 

あなたの作図が、今日から変わります。まずは「横→縦」のリズムで1つの図だけ描いてみてください。

そのスムーズさを感じたら、次は「一斉作図法」を試してみて。一つずつ、自分の作図に組み込んでいけば、必ず30分は短縮できます。

一緒に、製図試験を攻略しましょう。

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