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一級建築士の年収はいくら?業種別・年代別の徹底データと1,000万円を実現する方法

ネックス

【経歴】
建築学科→大手住宅メーカー→大手インフラ
【保有資格】
一級建築士・宅地建物取引士・1級建築施工管理技士、他改修資格等
【当ブログの実績】
・PV数10,000/月
・独自サポート教材200部の提供実績

 

一級建築士を目指しているあなた、あるいはすでに一級建築士として働いているあなたにとって、「本当に稼げるのか」「どの業種で働けば高年収を得られるのか」は最も気になる情報の一つでしょう。

 

「一級建築士は年収1,000万円も狙える」という話を聞いたことがあるかもしれません。

しかし、それは本当でしょうか。

誰でも到達できる金額なのでしょうか。それとも、ごく一部の限られた人だけの話なのでしょうか。実は、年収1,000万円は決して夢物語ではありませんが、「どんな働き方をするか」によって到達できるかどうかが大きく変わってきます。

同じ一級建築士でも、業種や企業規模、キャリアの積み方によって、年収には数百万円単位の差が生まれるのが現実です。

 

この記事では、2026年最新の政府統計データや業界調査データをもとに、一級建築士の年収を徹底解説します。大手ゼネコン、ハウスメーカー、設計事務所、公務員、独立開業など、業種別・年代別の詳細な年収データから、年収アップの具体的な方法まで、一級建築士として働く筆者の実体験も交えて完全網羅します。

筆者の経歴

項目内容
資格一級建築士(一発合格)
キャリア大手ハウスメーカー設計職→大手インフラ企業建築職へ転職
年収変化転職により年収+150万円を実現
保有資格宅建士・1級施工管理技士も保有

 

一級建築士とは?二級・木造建築士との違い

勉強の情報

まず、建築士の資格について整理しましょう。

建築士には、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類があり、それぞれ設計・工事監理できる建物の規模や種類が異なります。この違いが、後ほど解説する年収の差にも直結してくるため、最初にしっかり押さえておきましょう。

建築士資格の種類と業務範囲

建築士資格は国家資格ですが、認可する機関が資格によって異なります。一級建築士は国の大臣から、二級・木造建築士は都道府県知事から認可を受けるという点が、資格の格を象徴しています。

資格名認可機関設計・工事監理できる建物
一級建築士国土交通大臣すべての建築物(制限なし)
二級建築士都道府県知事木造:高さ13m以下または軒高9m以下/木造以外:延床面積300㎡以下、高さ13m以下または軒高9m以下
木造建築士都道府県知事木造建築物:階数2階以下かつ延床面積200㎡以下

この表からわかる通り、一級建築士のみが、すべての建築物の設計・工事監理を扱えます。学校、病院、百貨店、高層ビルなど、大規模で複雑な建築物は一級建築士でなければ設計できません。つまり、扱える仕事の幅そのものが他の資格とは桁違いであり、それがそのまま市場価値と年収の高さにつながっているのです。

一級建築士の受験資格、学歴別・実務経験別の詳細については、こちらで詳しく解説しています。

【2026年最新版】一級建築士試験の受験資格を学歴・実務経験ごとに完全解説!令和2年法改正の影響と最短ルート

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一級建築士の特権

一級建築士だけができることを、もう少し具体的に見てみましょう。

延床面積500㎡を超える学校や病院、延床面積300㎡を超え高さ13mまたは軒高9mを超える建築物、延床面積1,000㎡を超える百貨店・集会場・劇場、そして高層ビルや大規模商業施設、公共施設——これらはすべて一級建築士でなければ設計・工事監理ができません。

 

言い換えれば、社会の中で目立つ大きな建物、人々が日常的に利用する重要な施設のほとんどは、一級建築士の手によって生み出されているということです。このように、一級建築士は建築設計の最高位資格であり、扱える建築物の規模に制限がないことが最大の特徴です。

この「制限のなさ」こそが、企業が一級建築士を高給で確保したがる根本的な理由なのです。

一級建築士を取得するメリット、キャリア、独立については、一級建築士の価値は本当にあるのか?年収・転職・独立の実態を徹底検証で詳しく解説していますので、資格取得を迷っている方はぜひあわせてご参照ください。

一級建築士の人数が激減
一級建築士を取得するメリット完全ガイド【2026年最新版】年収・キャリア・独立まで徹底解説

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一級建築士の現状【2026年最新】

建設の広さ

一級建築士の登録者数

建築技術教育普及センターのデータによると、一級建築士の登録者数は約38万人(2026年1月時点)です。

ただし、この数字をそのまま「ライバルの数」と捉えるのは誤りです。

なぜなら、この38万人の中には、すでに引退した高齢の一級建築士、免許を返納していないだけの人、そして大学教授や研究者、他業種へ転職した人など、実際には建築設計の現場にいない人が数多く含まれているからです。

これらを差し引くと、実際に建築業界で一級建築士として活動している人は、約25~28万人と推定されます。

さらにその多くは安定したポジションに就いており、転職市場に出てくる人材は限られています。つまり、見かけの登録者数ほど「ありふれた資格」ではなく、現場で活躍できる一級建築士は依然として希少な存在なのです。

 

一級建築士試験の難易度

一級建築士試験は、日本の国家資格の中でも最難関の一つです。この難易度の高さこそが、資格の価値を支える土台になっています。

年度学科試験受験者数学科合格者数学科合格率製図試験受験者数製図合格者数製図合格率総合合格率
令和2年(2020)30,409人7,565人24.9%11,035人3,796人34.4%12.5%
令和3年(2021)30,087人4,832人16.1%10,498人3,765人35.9%12.5%
令和4年(2022)30,447人5,641人18.5%11,035人3,473人31.5%11.4%
令和5年(2023)30,634人6,378人20.8%11,046人3,652人33.1%11.9%
令和6年(2024)31,253人6,489人20.8%11,282人3,708人32.9%11.9%

学科試験の合格率は15~25%、製図試験の合格率は30~36%程度で推移しており、総合合格率は約10~12%と非常に低い水準です。

10人受けて1人受かるかどうかという狭き門であり、この難易度の高さが、一級建築士の市場価値を高め、年収にもしっかりと反映されているのです。希少だからこそ高く評価される——資格の世界では、この原理が極めてシンプルに働いています。

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一級建築士の平均年収【2026年最新データ】

勉強方法の正解

全体の平均年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」および各種業界調査によると、一級建築士の平均年収は以下の通りです。

項目金額
平均年収約700~750万円
平均月収約42~44万円
平均賞与約150~180万円

日本の労働者全体の平均年収が約440万円(国税庁「民間給与実態統計調査」)であることを考えると、一級建築士の年収は平均の1.6~1.7倍と非常に高い水準です。

これは、単に「建築業界の給料が高い」ということではなく、一級建築士という資格が持つ独占業務と希少性が正当に評価された結果と言えます。同じ建築業界でも、無資格者や二級建築士と比べると、年収には明確な差が生まれます。

 

男女別の平均年収

一級建築士の年収には、残念ながら男女差が存在します。

性別平均月収平均賞与平均年収
男性43.2万円150万円約654万円
女性36.3万円138万円約561万円

男性の方が約90万円高い年収となっていますが、これは「女性建築士の能力が低い」ということでは決してありません。この差が生じる背景には、いくつかの構造的な要因があります。

ひとつは勤続年数の差です。女性は結婚や出産で一時的にキャリアを中断することが多く、その分だけ昇給や昇進が遅れがちになります。

また、職種の傾向にも違いがあり、女性は住宅設計、男性は大規模建築設計という棲み分けが今なお残っています

さらに、女性は時短勤務や残業制限を選ぶケースが多く、残業時間の差が年収差に反映される面もあります。そして建築業界は依然として男性管理職が多く、管理職比率の差も年収格差の一因となっています。

ただし、こうした男女差は固定的なものではありません。近年は女性建築士の活躍が目覚ましく、男女差は徐々に縮小傾向にあります。働き方改革や育児支援制度の充実により、女性がキャリアを継続しやすい環境が整いつつあるためです。

 

年代別の平均年収

一級建築士の年収は、年齢・経験年数によって大きく変わります。資格を取った瞬間に高給がもらえるわけではなく、経験を積むほどに年収が伸びていくのが特徴です。

年代平均年収特徴
20代400~550万円資格取得直後、実務経験3~5年
30代前半550~700万円プロジェクトリーダー経験開始
30代後半700~850万円中堅として主要プロジェクト担当
40代前半800~950万円管理職・スペシャリストへ
40代後半900~1,100万円部長クラス・主任技師
50代1,000~1,300万円役員クラス・独立組も

この表が示すように、20代のうちは平均的な水準でも、経験と実績を積み重ねることで年収は着実に上昇していきます。

特に40代以降になると、それまで培ってきた専門性とマネジメント力が評価され、年収1,000万円超えも珍しくなくなります。つまり、一級建築士の年収は「長く続けるほど報われる」構造になっているのです。若いうちの年収だけを見て判断するのではなく、生涯にわたる収入の伸びしろまで含めて考えることが大切です。

 

業種別・企業規模別の一級建築士年収

キャリア相談

一級建築士の年収は、どの業種・どの規模の企業で働くかによって大きく異なります。ここが、一級建築士の年収を語るうえで最も重要なポイントです。同じ資格を持っていても、選ぶ環境次第で年収は数百万円も変わってくるからです。

企業規模別の平均年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によると、企業規模による年収差は以下の通りです。

企業規模平均月収平均賞与平均年収
1,000人以上約52万円約222万円約746万円
100~999人約45万円約180万円約640万円
100人未満約40万円約150万円約591万円

企業規模1,000人以上の大企業(大手ゼネコン、大手ハウスメーカー等)では、中小企業に比べて年収が150万円以上高くなります。

これは、大企業ほど扱うプロジェクトの規模が大きく、利益率も高いため、社員に還元される給与も高くなるからです。年収を重視するなら、まず「規模の大きな企業を狙う」というのが最もシンプルで確実な戦略と言えます。

業種別の平均年収と特徴

ここからは、一級建築士が活躍する主な業種ごとに、年収と特徴を詳しく見ていきましょう。それぞれにメリットとデメリットがあり、「年収が高ければ良い」という単純な話ではないことも、あわせて理解していただければと思います。

1. 大手ゼネコン(スーパーゼネコン)

平均年収は800~1,200万円と、建築業界の中でも最高水準です。対象企業は、鹿島建設、大成建設、清水建設、大林組、竹中工務店のスーパーゼネコン5社です。

年代年収レンジ
20代600~750万円
30代800~1,000万円
40代1,000~1,500万円
50代(管理職)1,500~2,000万円超

スーパーゼネコンの魅力は、何といっても業界最高水準の年収です。住宅手当や家族手当、資格手当といった福利厚生も充実しており、オリンピック施設や高層ビル、空港といった社会に残る大規模プロジェクトに携われます。

安定性も抜群で、海外プロジェクトに挑戦できるチャンスもあります。一方で、その高待遇の裏には厳しい労働環境があります。残業や休日出勤が多く(月50~80時間の残業)、転勤も頻繁で、入社難易度も非常に高いのが実情です。背負うプレッシャーも相応に大きく、高年収はその責任の対価とも言えます。

2. 大手・中堅ゼネコン

平均年収は700~1,000万円です。戸田建設、前田建設、五洋建設、西松建設、長谷工コーポレーションなどが該当します。

年代年収レンジ
20代500~650万円
30代700~900万円
40代900~1,200万円
50代(管理職)1,200~1,500万円

スーパーゼネコンには及ばないものの、十分に高い年収を得られるのが大手・中堅ゼネコンです。中規模から大規模のプロジェクトに携わることができ、福利厚生も充実しています。スーパーゼネコンより入社のハードルが低い点も魅力です。

ただし、残業や休日出勤は避けられず(月40~70時間の残業)、転勤もあり、担当するプロジェクトによって繁忙度が大きく変動するという面もあります。

3. 大手ハウスメーカー

平均年収は600~850万円です。積水ハウス、大和ハウス工業、住友林業、ミサワホーム、ヘーベルハウスなどが代表的です。

年代年収レンジ
20代450~600万円
30代600~750万円
40代750~950万円
50代(管理職)950~1,200万円

ハウスメーカーの魅力は、顧客と直接関わりながら、人の人生に寄り添う住宅設計のやりがいを感じられる点です。比較的ワークライフバランスが取りやすく、福利厚生も充実しており、転勤が少ない企業もあります。

一方で、ゼネコンより年収は低めで、顧客対応のために土日出勤が発生したり、営業との板挟みになったり、クレーム対応にストレスを感じることもあります。

筆者も大手ハウスメーカーで働いていました。顧客の人生に関わる仕事でやりがいは大きかったのですが、土日の打ち合わせや営業からの無理な要求には苦労しました。ハウスメーカー設計職の年収やキャリアの実態についてさらに詳しく知りたい方は、ハウスメーカー設計職の年収はいくら?仕事内容とキャリアパスを徹底解説で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

4. 組織設計事務所(大手)

平均年収は650~1,000万円です。日建設計、日本設計、三菱地所設計、NTTファシリティーズなどが該当します。

年代年収レンジ
20代450~600万円
30代650~850万円
40代850~1,100万円
50代(役職者)1,100~1,500万円

組織設計事務所は、設計に集中できる環境が整っており、専門性を深めながら大規模かつ著名なプロジェクトに携われるのが最大の魅力です。デザイン性の高い建築に関われることに、強いやりがいを感じる人も多いでしょう。

しかし、その代償として残業が非常に多く(月80~120時間に及ぶことも)、若手のうちは給与が低めに抑えられがちです。入社難易度も高く、有名大学・大学院卒が多い世界でもあります。

5. アトリエ系設計事務所

平均年収は400~800万円、独立後は実力次第で300~1,500万円以上と幅が広がります。

年代年収レンジ
20代300~450万円
30代450~650万円
40代650~900万円
独立後300~1,500万円以上(実力次第)

アトリエ系設計事務所は、デザイン性の高い建築に携わり、有名建築家の下で実践的に学べる環境です。将来の独立へのステップアップとして選ぶ人も少なくありません。ただし、給与は特に若手のうちは低く、残業が非常に多いなど、労働環境は厳しいのが実情です。安定性にも欠けるため、「お金よりも建築家としての成長を優先したい」という強い覚悟がある人に向いた選択肢です。

6. 公務員(国家公務員・地方公務員)

平均年収は550~850万円です。

年代年収レンジ
20代400~500万円
30代550~700万円
40代700~850万円
50代(管理職)850~950万円

公務員建築職の最大の魅力は、何といっても雇用の安定性とワークライフバランスの良さです。

残業は月10~30時間程度に抑えられ、退職金や年金といった福利厚生も充実しています。地方公務員であれば転勤も少なく、地元に腰を据えて働けます。一方で、年収の上限は低く、1,000万円を超えるのは困難です。また、自ら設計をするよりも審査・管理業務が中心となるため、創造性を発揮する機会が少ない点はデメリットと言えるでしょう。

公務員も含めた一級建築士の転職全般について、業界別の選び方や転職成功のコツを知りたい方は、一級建築士の転職完全ガイド|公務員・ホワイト企業への転職戦略と年収アップの実体験で詳しく解説していますので、あわせてご参照ください。

7. インフラ企業(鉄道・電力・ガス等)

平均年収は700~1,000万円です。JR各社、私鉄各社、東京電力、関西電力、東京ガスなどが該当します。

年代年収レンジ
20代500~650万円
30代700~850万円
40代850~1,050万円
50代(管理職)1,050~1,200万円

インフラ企業は、高年収と安定性、そして良好なワークライフバランスを高い次元で両立できる、いわば「いいとこ取り」の選択肢です。

残業は月10~30時間程度で、福利厚生も手厚く、社会インフラを支えるという誇りある仕事に携われます。ただし、新築設計よりも改修・維持管理の業務が中心となり、住宅設計の機会はほぼありません。転勤がある点にも留意が必要です。

筆者の現在の勤務先がこの分野です。

年収は大手ハウスメーカー時代より150万円アップし、残業は80時間から10時間以下に激減しました。「年収もワークライフバランスも諦めたくない」という方にとって、インフラ企業は非常に有力な選択肢です。なぜインフラ業界が一級建築士にとって「勝ち組ルート」と呼ばれるのか、

その理由と年収1,000万円超を実現する方法については、一級建築士の勝ち組ルート|インフラ・プラント業界で年収1,000万円超を実現する方法で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

 

二級建築士・木造建築士の平均年収との比較

住宅設計

一級建築士と二級建築士、木造建築士では、年収にどれほどの差があるのでしょうか。資格の格の違いが、収入にどう反映されるのかを見てみましょう。

資格平均年収日本人平均との比較
一級建築士700~750万円+260~310万円(約1.6~1.7倍)
二級建築士480~550万円+40~110万円(約1.1~1.25倍)
木造建築士380~420万円-60~-20万円(約0.9~0.95倍)

一級建築士と二級建築士では、年収に200万円以上の差があります。

この差は、扱える建物の規模、プロジェクトの予算規模、そして背負う責任の重さがそのまま反映されたものです。大規模で高額なプロジェクトを任される一級建築士は、それだけ企業の売上に貢献できるため、高い報酬が支払われるのです。

業種別に見ても、この差は一貫しています。

業種一級建築士二級建築士差額
スーパーゼネコン800~1,200万円採用少ない-
大手ゼネコン700~1,000万円500~700万円200~300万円差
ハウスメーカー600~850万円450~650万円150~200万円差
設計事務所650~1,000万円400~600万円250~400万円差

どの業種でも、一級建築士の方が150~400万円高い年収となっています。この差を「生涯年収」で考えると、その開きは数千万円規模にもなります。二級建築士の方が「一級を取るべきか」と迷っているなら、この年収差は取得を後押しする強力な理由になるでしょう。

 

一級建築士の初任給・新卒年収

試験

一級建築士の資格を新卒で取得することは、実務経験が必要なため不可能です。

しかし、建築学科を卒業して建築業界に就職し、入社後数年で一級建築士を取得するケースが一般的です。ここでは、資格取得直後の年収を見てみましょう。

項目金額
平均月給約31.9万円
推定年収(月給×12)約383万円
実際の年収(賞与込み)約450~550万円

一般的な大卒初任給が約21.2万円であることを考えると、一級建築士の初任給は約10万円も高い水準です。資格を持っているだけで、スタート地点からこれだけの差がつくわけです。

業種別に新卒から入社3年目までの年収を見ると、その差はさらに鮮明になります。

業種新卒(22~24歳)入社3年目(25~27歳)
スーパーゼネコン450~550万円600~700万円
大手ゼネコン400~500万円550~650万円
ハウスメーカー350~450万円500~600万円
組織設計事務所350~450万円450~550万円
公務員350~420万円450~550万円

スーパーゼネコンでは、新卒でも450万円以上の年収が期待でき、入社3年目で600万円を超えることも珍しくありません。若いうちから高年収を狙いたいなら、就職先の選択が極めて重要だということがわかります。

 

一級建築士が年収1,000万円を実現する方法

ここからは、この記事の核心とも言える「年収1,000万円の実現方法」について解説します。

一級建築士として年収1,000万円を達成することは、決して非現実的な目標ではありません。ただし、何となく働いているだけで到達できるものでもありません。明確な戦略が必要です。代表的な5つの方法を紹介します。

 

方法1:大手ゼネコンで管理職になる

最も確実な方法は、大手ゼネコンやスーパーゼネコンに入社し、管理職を目指すことです。

年齢役職年収
30代前半一般社員(リーダー)700~850万円
30代後半主任・係長850~1,000万円
40代前半課長クラス1,000~1,300万円
40代後半部長クラス1,300~1,600万円
50代役員クラス1,600~2,000万円超

40代前半で課長クラスに昇進すれば、年収1,000万円を超えます。スーパーゼネコンであれば、30代後半で1,000万円に到達することもあります。

この道で成功するためには、大規模プロジェクトで確かな実績を積み、マネジメント能力を磨き、構造設計や設備設計といった専門性を深めることが重要です。さらに、構造設計一級建築士や設備設計一級建築士といった資格を追加取得すれば、昇進や年収アップが一段と有利になります。

方法2:独立して設計事務所を開業する

独立開業により、年収1,000万円以上を狙うことも可能です。ただし、この道は最もハイリスク・ハイリターンであることを理解しておく必要があります。

独立で成功するためには、いくつかの条件が揃っていなければなりません。

最低でも10年以上、できれば15年以上の十分な実務経験があること。住宅や店舗、医療施設など、特定分野で「この人に頼みたい」と思われる得意分野を確立していること。独立前に優良な顧客を確保しておく人脈・顧客基盤があること。設計だけでなく営業や経営のスキルも備えていること。そして、他の設計事務所にはない明確な強み、つまり差別化があることです。

独立後の年収がどのように分布するかを見ると、その厳しさと可能性の両方が見えてきます。

年収レンジ割合状況
300万円未満約20%軌道に乗っていない
300~600万円約35%安定した小規模運営
600~1,000万円約30%成功している
1,000~1,500万円約10%かなり成功している
1,500万円以上約5%大成功・有名建築家

独立は年収1,000万円以上を狙える夢のある選択肢ですが、約半数が年収600万円未満にとどまるという現実も直視しなければなりません。

会社員としての安定を手放す覚悟と、それを上回る実力・人脈があってこそ成立する道です。

方法3:インフラ企業・デベロッパーで管理職になる

鉄道会社、電力会社、不動産デベロッパーといったインフラ企業でも、管理職になれば年収1,000万円を超えます。

年齢役職年収
30代前半一般社員700~850万円
30代後半主任・係長850~950万円
40代前半課長クラス950~1,100万円
40代後半部長クラス1,100~1,300万円
50代役員クラス1,300~1,500万円

ゼネコンよりはやや年収が低いものの、ワークライフバランスが良く、40代で1,000万円を超えることが可能です。「激務で1,000万円」よりも「ほどほどの忙しさで1,000万円」を望む人には、こちらの方が現実的で持続可能な選択肢と言えるでしょう。

特に不動産デベロッパーは高年収かつ企画力が身につく魅力的なキャリアです。一級建築士がデベロッパーに転職する具体的な方法や年収については、一級建築士がデベロッパーに転職する完全ガイド|年収・業務内容・転職成功の秘訣で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

 

方法4:専門資格を追加取得する

一級建築士に加えて専門資格を取得することで、年収アップが期待できます。資格の掛け合わせによって、市場での希少性が一気に高まるためです。

資格年収アップ効果特徴
構造設計一級建築士+50~150万円高度な構造設計が可能、希少性高い
設備設計一級建築士+50~150万円高度な設備設計が可能、希少性高い
1級建築施工管理技士+30~80万円施工管理との兼任が可能
不動産鑑定士+100~200万円不動産評価業務も可能
技術士(建設部門)+50~100万円高度な技術力の証明

特に構造設計一級建築士や設備設計一級建築士は、取得者が少なく需要が高いため、大幅な年収アップが期待できます。

また、1級建築施工管理技士との組み合わせは、設計と施工管理の両方を担える人材として重宝されます。一級建築士と1級建築施工管理技士、それぞれの難易度や年収、どちらを優先すべきかを比較したい方は、一級建築士と1級建築施工管理技士はどっちがすごい?違い・難易度・年収を徹底比較で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

 

方法5:転職で年収アップを狙う

現在の勤務先で年収が頭打ちになっている場合、転職こそが最も即効性のある年収アップの手段です。同じ実力でも、評価してくれる環境に移るだけで年収が大きく変わることがあります。

転職前転職後年収変化
中小設計事務所(年収500万円)大手ゼネコン(年収750万円)+250万円
ハウスメーカー(年収550万円)インフラ企業(年収700万円)+150万円
中堅ゼネコン(年収700万円)スーパーゼネコン(年収900万円)+200万円
組織設計事務所(年収600万円)不動産デベロッパー(年収850万円)+250万円

筆者自身も、ハウスメーカー(年収550万円)からインフラ企業(年収700万円)へ転職し、年収+150万円を実現しました。重要なのは、自分の市場価値を正しく把握し、それを高く評価してくれる業種・企業を戦略的に選ぶことです。

一級建築士という強力な資格を持っているなら、転職市場でのあなたの価値は想像以上に高いはずです。

 

一級建築士の求人状況【2026年最新】

講座の使い方

一級建築士の求人は豊富

一級建築士の求人は、2026年現在も非常に豊富です。むしろ、企業側が「一級建築士を確保したくてもできない」という状況が続いており、完全な売り手市場となっています。

その背景には、複数の構造的な要因があります。ひとつは深刻な人手不足です。

ベテラン建築士の高齢化と引退が進む一方で、若手の供給が追いついていません。また、都市再開発やインフラ整備といった大規模開発が全国で継続しており、建築士の需要は高止まりしています。さらに、建築基準法の改正や省エネ基準の強化といった法改正のたびに新たな専門知識が求められ、有資格者の価値が高まっています。

加えて、BIMやAIといったデジタル技術の導入が進む中で、これらを使いこなせる建築士の需要が急増しています。既存建築の改修需要、すなわちリノベーション市場の拡大も、建築士の活躍の場を広げています。

帝国データバンクの調査では、建設業の人手不足倒産が全体の28.9%を占めており、慢性的な人材不足が続いています。これは裏を返せば、有資格者である一級建築士にとっては、これ以上ないほど有利な転職環境が整っているということです。

 

主要転職サイトの一級建築士求人数(2026年1月時点)

転職サイト一級建築士求人数
リクナビNEXT約2,500件
doda約2,200件
マイナビ転職約1,800件
ビズリーチ約1,500件(年収600万円以上)
建築転職(建設特化)約3,000件

主要な転職サイトを合計すると、1万件を超える一級建築士求人が存在します。これだけの選択肢があれば、年収やワークライフバランス、勤務地など、自分の希望に合った職場を見つけられる可能性は非常に高いと言えます。

スカウトメールも頻繁に届く

筆者が転職活動をしていた際も、リクナビNEXTに登録すると、準大手ゼネコンやデベロッパーから頻繁にスカウトメールが届きました。自分から積極的に動かなくても、企業側からアプローチが来るのです。

一級建築士の資格を持っているだけで、企業からの注目度は格段に高くなります。「自分なんてスカウトされるはずがない」と思っている人ほど、一度登録してみると、その反響の大きさに驚くはずです。

 

一級建築士のメリット・デメリット

質問回答

ここまで年収を中心に解説してきましたが、一級建築士という資格・職業には、年収以外にも多くのメリットがあります。

同時に、無視できないデメリットも存在します。両面を正直にお伝えします。

メリット

一級建築士の最大のメリットは、やはり高年収です。平均年収700~750万円は日本人平均の1.6~1.7倍であり、業種や企業を選べば年収1,000万円以上も十分に狙えます。

また、求人が豊富で売り手市場が続いているため、転職もしやすく、ゼネコン、ハウスメーカー、設計事務所、デベロッパー、公務員など幅広い業種で活躍できます。国家資格の最高峰の一つとして社会的地位が高く、名刺に「一級建築士」と書けることは、それ自体が信頼の証になります。

さらに、仕事のやりがいも見逃せません。建築物を通じて社会に貢献でき、創造性を発揮でき、自分が設計した建物が形として何十年も残ります。これは他の職業ではなかなか味わえない喜びです。そして、キャリアの選択肢が広く、独立開業という道も含めて、自分の人生設計に合わせた働き方を選べるのも大きな魅力です。

 

デメリット

一方で、デメリットも正直に知っておくべきです。まず、資格取得が非常に難しいという点です。合格率は約10~12%で、1,000~1,500時間もの勉強時間が必要になります。また、設計ミスが重大事故につながりかねず、訴訟リスクもあるなど、責任が重い仕事です。

労働時間の長さも業種によっては深刻で、設計事務所では月80~120時間、ゼネコンでは月50~80時間、ハウスメーカーでは月40~70時間の残業に加えて土日出勤もあります。

さらに、法改正や新技術・新工法の習得、定期講習の受講義務など、継続的な学習が欠かせません。締切に追われ、クライアントや関係者との調整に神経を使い、トラブル対応にも追われるなど、ストレスが大きい仕事であることも事実です。

ただし、これらのデメリットの多くは、業種や企業の選び方によって大きく軽減できます。

たとえば労働時間やストレスは、インフラ企業や公務員を選べば大幅に改善できます。デメリットを正しく理解したうえで、自分に合った環境を選ぶことが、長く幸せに働き続ける鍵になります。

 

よくある質問(FAQ)

変化

Q1. 一級建築士は本当に稼げますか?

A. はい、稼げます。平均年収は700~750万円で、日本人平均の1.6~1.7倍です。業種・企業によっては年収1,000万円以上も十分可能です。

ただし、どの業種を選ぶかで年収は大きく変わるため、「稼げる環境」を戦略的に選ぶことが重要です。

Q2. どの業種が最も年収が高いですか?

A. スーパーゼネコン(鹿島建設、大成建設等)が最も高く、平均年収800~1,200万円です。

次いで大手ゼネコン、インフラ企業、不動産デベロッパーも高年収です。ただし、年収が高い業種は残業も多い傾向があるため、ワークライフバランスとのバランスも考えて選びましょう。

Q3. 一級建築士と二級建築士で年収はどれくらい違いますか?

A. 一級建築士の方が200万円以上高いです。一級建築士が700~750万円に対し、二級建築士は480~550万円程度です。

生涯年収で考えると、その差は数千万円規模になります。

Q4. 年収1,000万円を実現するには?

A. 大手ゼネコンで管理職になる方法が最も確実です。

そのほか、独立して設計事務所を開業する、インフラ企業・デベロッパーで管理職になる、構造設計一級建築士などの専門資格を追加取得する、転職で年収アップを狙う、といった方法があります。複数の方法を組み合わせることで、到達確率はさらに高まります。

Q5. 独立すれば必ず年収が上がりますか?

A. いいえ。独立後の年収は300万円~1,500万円以上と幅が広く、約半数が年収600万円未満です。

成功するには、十分な実務経験、人脈、営業力、差別化が必要です。独立は夢のある選択肢ですが、安定を手放すリスクも大きいことを理解しておきましょう。

Q6. 女性でも高年収を狙えますか?

A. はい、狙えます。現状では男性平均654万円、女性平均561万円と約90万円の差がありますが、これは勤続年数や職種の傾向によるもので、能力の差ではありません。

女性建築士の活躍は年々増えており、管理職になれば年収1,000万円も十分に可能です。

Q7. 公務員建築士の年収は?

A. 公務員建築士の平均年収は550~850万円です。民間企業より年収上限は低めですが、安定性が高く、ワークライフバランスが良好です。

「年収よりも安定と生活の質を重視したい」という人には理想的な選択肢です。

 

まとめ

一級建築士の年収について、重要なポイントを改めて整理します。

一級建築士の平均年収は700~750万円で、日本人平均の1.6~1.7倍という高水準です。男性平均は654万円、女性平均は561万円となっています。

業種別に見ると、スーパーゼネコンが800~1,200万円と最も高く、大手ゼネコンが700~1,000万円、ハウスメーカーが600~850万円、組織設計事務所が650~1,000万円、インフラ企業が700~1,000万円、公務員が550~850万円、独立は実力次第で300~1,500万円以上と幅があります。

企業規模による差も大きく、1,000人以上の企業で約746万円、100~999人で約640万円、100人未満で約591万円と、大企業の方が150万円以上高くなります。年代別では、20代で400~550万円、30代で550~850万円、40代で800~1,100万円、50代で1,000~1,300万円と、経験を積むほど着実に上昇していきます。

 

年収1,000万円を実現する方法としては、大手ゼネコンで管理職になる、独立して設計事務所を開業する、インフラ企業・デベロッパーで管理職になる、専門資格を追加取得する、転職で年収アップを狙う、という5つの道があります。求人は売り手市場が続いており、主要転職サイトで合計1万件以上の求人が存在します。

一級建築士は、高年収、豊富な求人、高い社会的地位、仕事のやりがい、広いキャリアの選択肢という多くのメリットを持つ一方で、資格取得の難しさ、責任の重さ、業種によっては長い労働時間、継続的な学習の必要性、大きなストレスといったデメリットもあります。

一級建築士は、難関資格ではありますが、取得すれば確実に高年収を得られる資格です。業種・企業を適切に選べば、年収1,000万円も決して夢ではありません。ただし、年収だけでなく、ワークライフバランス、仕事のやりがい、キャリアの方向性も考慮して、自分に合った働き方を選ぶことが何よりも重要です。高年収を追い求めるあまり心身を壊してしまっては本末転倒です。お金とやりがいと生活の質、この3つのバランスを自分なりに見極めてください。

最後に、今すぐ始められる3つのアクションをお伝えします。まずは転職サイトに登録して求人をチェックし、自分の市場価値を把握することから始めましょう。

次に、転職エージェントに相談したり年収診断ツールを活用したりして、客観的に自分の立ち位置を確認します。そして、5年後・10年後の目標年収を設定し、そのために必要なスキルや資格を洗い出してキャリアプランを立てましょう。

一級建築士の資格を活かして、あなたも理想の年収とキャリアを実現してください。

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ネックス

【経歴】
建築学科→大手住宅メーカー→大手インフラ
【保有資格】
一級建築士・宅地建物取引士・1級建築施工管理技士、他改修資格等
【当ブログの実績】
・PV数10,000/月
・独自サポート教材200部の提供実績

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