
こんな方におすすめ
- 一級建築士の合格者はどんな大学を出てるの?
- 大学によって合格率は変わる?
- どの大学に行けば合格しやすい?
「一級建築士に強い大学ってどこ?やっぱり偏差値が高い大学の方が有利なの?」
建築学科を目指す高校生や、これから一級建築士試験に挑戦する大学生にとって、気になるのは「どの大学出身者が合格しているか」ですよね。
実は、2024年度の一級建築士試験では、総合合格率がわずか8.8%という超難関でした。10人受けて1人も受からない計算です。そんな中、毎年コンスタントに合格者を輩出している大学があります。
この記事では、2024年度(令和6年度)の最新データをもとに、大学別の合格者ランキングを紹介します。そして、なぜ特定の大学が一級建築士試験に強いのか、その理由を現役一級建築士の視点で詳しく解説していきます。
この記事でわかること:
- ✓ 2024年度大学別合格者数ランキングTOP30
- ✓ 上位大学が強い3つの理由
- ✓ 偏差値と合格率の関係の真実
- ✓ どの大学を選ぶべきか?の判断基準
- ✓ 大学以外で合格を左右する要素
読了時間:約12分 | 最終更新:2025年12月24日
2024年度一級建築士試験の概要
まず、2024年度(令和6年度)の試験結果を見ておきましょう。
試験結果サマリー
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 学科試験合格率 | 23.3% |
| 製図試験合格率 | 26.6% |
| 総合合格率 | 8.8% |
| 総合格者数 | 3,010人 |
総合合格率8.8%は、ここ5年間で最も低い水準です。前年度の9.9%からさらに1.1ポイント低下しました。
学歴別の合格者内訳
一級建築士の合格者を学歴・資格別に見ると、以下のような内訳になっています。
| 学歴・資格 | 構成比率 |
|---|---|
| 大学卒業者 | 76.2% |
| 二級建築士資格 | 14.3% |
| 専修学校 | 4.9% |
| 建築設備士資格 | 0.8% |
| その他 | 3.8% |
合格者の約76%が大学出身者です。つまり、大学で建築を学ぶことが、一級建築士への最も一般的なルートと言えます。
【2024年度最新】大学別合格者数ランキングTOP30
それでは、2024年度の大学別合格者数ランキングを見ていきましょう。このデータは、建築技術教育普及センターが公表した公式データに基づいています。
注意:このランキングは「学歴」を受験資格として申し込んだ者のみの人数です。二級建築士資格で受験した者は、上記大学の出身者であっても含まれていません。
TOP10大学
| 順位 | 大学名 | 合格者数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 日本大学 | 142人 | -1人 |
| 2位 | 東京理科大学 | 103人 | -38人 |
| 3位 | 芝浦工業大学 | 92人 | -27人 |
| 4位 | 早稲田大学 | 77人 | -11人 |
| 5位 | 近畿大学 | 70人 | 0人 |
| 6位 | 名古屋工業大学 | 61人 | -4人 |
| 7位 | 法政大学 | 56人 | -13人 |
| 8位 | 千葉大学 | 55人 | -7人 |
| 9位 | 明治大学 | 54人 | -8人 |
| 10位 | 神戸大学 | 54人 | -4人 |
TOP11〜30大学
| 順位 | 大学名 | 合格者数 | 順位 | 大学名 | 合格者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 11位 | 京都大学 | 52人 | 21位 | 大阪市立大学 | 34人 |
| 12位 | 工学院大学 | 52人 | 22位 | 東海大学 | 33人 |
| 13位 | 九州大学 | 49人 | 23位 | 京都工芸繊維大学 | 32人 |
| 14位 | 関西大学 | 41人 | 24位 | 広島大学 | 32人 |
| 15位 | 東京都市大学 | 40人 | 25位 | 東北大学 | 32人 |
| 16位 | 東京工業大学 | 40人 | 26位 | 神奈川大学 | 31人 |
| 17位 | 大阪工業大学 | 39人 | 27位 | 横浜国立大学 | 31人 |
| 18位 | 名城大学 | 38人 | 28位 | 金沢工業大学 | 30人 |
| 19位 | 熊本大学 | 37人 | 29位 | 東洋大学 | 30人 |
| 20位 | 東京電機大学 | 35人 | 30位 | 立命館大学 | 30人 |
ランキングから見える傾向
これらのランキングを見ると、いくつかの興味深い傾向が見えてきます。
①日本大学が圧倒的トップ
日本大学は142人で不動の1位です。2位の東京理科大学(103人)と比べても40人近い差があります。過去10年以上、日本大学がトップを維持し続けています。
②私立大学が上位を占める
TOP5のうち、4校が私立大学(日大、東京理科大、芝浦工業大、早稲田大、近畿大)です。私立大学の方が、資格試験対策に力を入れている傾向があるようです。
③旧帝大も健闘
東京大学、京都大学、九州大学、神戸大学など、旧帝大も上位にランクインしています。ただし、合格者数では私立大学に及びません。
④地方国立大学も多数合格者を輩出
名古屋工業大学、千葉大学、広島大学など、地方の国立大学も多くの合格者を出しています。
偏差値と合格者数の関係|意外な真実
「偏差値が高い大学ほど、一級建築士の合格者が多いんじゃないの?」
そう思う方も多いでしょう。でも、実際のデータを見ると、必ずしもそうとは言えません。
偏差値別に見た合格者数
| 偏差値帯 | 代表的な大学 | 合格者数(2024年) |
|---|---|---|
| 65〜70 | 東京大学、京都大学、東京工業大学 | 約130人(合計) |
| 60〜65 | 早稲田大学、東京理科大学、千葉大学 | 約300人(合計) |
| 55〜60 | 日本大学、芝浦工業大学、明治大学 | 約350人(合計) |
| 50〜55 | 工学院大学、東京電機大学、神奈川大学 | 約150人(合計) |
このデータを見ると、偏差値55〜60の大学群が最も多くの合格者を輩出しています。
なぜ偏差値だけでは決まらないのか?
理由①:在籍学生数の違い
日本大学理工学部建築学科は、1学年約300人という大規模な学科です。一方、東京大学建築学科は1学年約40人程度。母数が違えば、合格者数も変わって当然です。
理由②:資格試験対策の充実度
偏差値の高い大学は、研究志向が強く、資格試験対策にはあまり力を入れていません。一方、中堅私立大学は、学生の就職を考えて、資格試験対策を手厚くサポートしている傾向があります。
理由③:基礎学力よりも努力が重要
一級建築士試験は、確かに難しい試験です。でも、「偏差値70の天才でないと受からない」わけではありません。正しい勉強法で、コツコツ努力すれば、誰でも合格できる試験です。
実際、私自身もMARCHレベルに届かない偏差値の大学出身ですが、一級建築士に合格できました。今では、東大早慶出身の方々と同じフィールドで仕事をしています。
上位大学が一級建築士試験に強い3つの理由
それでは、なぜ特定の大学が毎年多くの合格者を輩出できるのでしょうか?3つの理由を詳しく解説します。
理由①:試験対策を意識した教育カリキュラム
上位にランクインしている大学は、一級建築士試験を意識したカリキュラムを組んでいます。
日本大学理工学部建築学科の例:
日本大学では、1・2年次に基礎必修科目として、構造力学、建築材料、建築計画などを徹底的に学びます。これらは、そのまま一級建築士試験の出題範囲です。
3・4年次には、より専門的な選択科目が用意されており、学生は自分の興味に応じて深く学べます。建築設計の演習も豊富で、製図試験の基礎となるスキルが身につきます。
芝浦工業大学の例:
芝浦工業大学は、「有名企業400社実就職率で私立大学第4位」という実績を誇ります。これは、資格取得支援が充実しているからです。
大学内に「資格取得支援センター」があり、一級建築士試験の対策講座を開講しています。過去問演習、模擬試験、個別相談など、きめ細かいサポートを受けられます。
理由②:豊富な人脈とOB・OGネットワーク
建築業界は、人脈が非常に重要な業界です。上位大学には、業界で活躍する豊富なOB・OGがいます。
具体的なメリット:
まず、先輩から試験のアドバイスを直接聞けます。「どの問題集を使ったか」「どうやって製図試験を攻略したか」など、リアルな情報が手に入ります。
また、就職活動でも有利です。大手ゼネコンや設計事務所には、同じ大学出身の先輩がいることが多く、OB訪問もしやすいです。内定後も、先輩が資格取得をサポートしてくれることもあります。
さらに、卒業後も大学の同窓会やネットワークを通じて、業界の最新情報にアクセスできます。「今年の試験はこういう傾向だった」「こういう勉強法が効果的だった」という情報が自然と入ってきます。
私の実体験:
私の大学の先輩で、大手ゼネコンに勤めている方がいました。その先輩から、「うちの会社では、資格試験前は定時で帰らせてもらえる」「社内で資格対策の勉強会がある」という情報を聞いて、就職活動の参考にしました。
結果的に、その会社に入社し、手厚いサポートのおかげで一級建築士に合格できました。これも、大学の人脈があったからこそです。
理由③:充実した学習環境と設備
上位大学は、建築を学ぶための設備が充実しています。
設計・製図スタジオ:
建築学科には、専用の設計スタジオがあります。広い作業スペースで、仲間と一緒に図面を描いたり、模型を作ったりできます。
一級建築士の製図試験では、5時間で図面を完成させる必要があります。普段から製図の練習ができる環境があることは、大きなアドバンテージです。
CAD・BIMソフト:
最新のCADソフトやBIMソフトが使える環境も整っています。AutoCAD、Revit、SketchUpなど、業界標準のツールを学生のうちから使いこなせます。
これらのソフトは高価ですが、大学のライセンスで無料で使えます。自宅のPCにもインストールできる大学もあります。
豊富な図書資料:
建築系の専門書、学術雑誌、作品集などが充実しています。一級建築士試験の過去問や参考書も豊富に揃っています。
また、建築雑誌のバックナンバーも保管されているので、有名建築家の作品を研究できます。これは、建築計画の試験対策にも役立ちます。
立地の良さ:
都市部の大学は、多様な建築物を見学しやすいです。授業の一環で、有名建築を見学するフィールドワークもあります。
実際の建築を見て、触れて、体験することで、教科書だけでは得られない理解が深まります。これは、試験だけでなく、将来の設計活動にも大きく役立ちます。
大学選びで重視すべき5つのポイント
「じゃあ、どの大学を選べばいいの?」という疑問にお答えします。
①合格者数だけでなく合格率も考える
先ほど見たランキングは「合格者数」です。でも、本当に重要なのは「合格率」です。
例えば、日本大学は142人合格していますが、建築学科の在籍学生数は約1,200人(4学年合計)です。一方、地方の小規模大学は合格者10人でも、在籍学生数が100人なら、合格率は高いと言えます。
残念ながら、大学別の合格率は公表されていません。でも、大学のWebサイトやオープンキャンパスで、「卒業生の資格取得率」を確認できる場合があります。
②資格取得支援制度をチェックする
大学によって、資格取得支援の充実度は大きく異なります。
確認すべきポイント:
- 学内で資格対策講座が開講されているか
- 資格取得者への奨学金や報奨金制度があるか
- 過去問や参考書が図書館に揃っているか
- 個別相談や添削指導を受けられるか
オープンキャンパスや大学説明会で、これらの点を質問してみましょう。
③実務経験を積める環境があるか
一級建築士になるには、試験合格だけでなく、実務経験も必要です。大学卒業後、2年以上の実務経験を積まなければ、一級建築士として登録できません。
そのため、インターンシップや実習が充実している大学を選ぶことも重要です。
日本大学の例:
日本大学では、大手ゼネコンや設計事務所と提携しており、インターンシップの機会が豊富です。夏休みを利用して、実際の現場を経験できます。
この経験は、試験対策にも役立ちますし、就職活動でもアピールポイントになります。
④立地と通学のしやすさ
4年間(または6年間)通う大学です。通学のしやすさも重要です。
都市部の大学は、建築物の見学がしやすいメリットがあります。一方、地方の大学は、落ち着いた環境で勉強に集中できるメリットがあります。
自分のライフスタイルに合った立地の大学を選びましょう。
⑤卒業生の就職実績
大学のWebサイトで、卒業生の就職先を確認しましょう。大手ゼネコン、有名設計事務所、公務員など、希望する進路の実績があるかチェックしてください。
また、就職後の資格取得サポートも重要です。会社によっては、資格試験前に休暇をもらえたり、社内で勉強会があったりします。
大学以外で合格を左右する3つの要素
ここまで大学の話をしてきましたが、正直に言います。一級建築士試験の合格は、大学だけでは決まりません。
①本人の努力が最重要
どんなに良い大学に入っても、本人が努力しなければ合格できません。逆に、偏差値がそれほど高くない大学でも、しっかり勉強すれば合格できます。
必要な勉強時間:
一級建築士試験の合格に必要な勉強時間は、約1,000時間〜1,500時間と言われています。1年間で合格を目指すなら、1日平均3〜4時間の勉強が必要です。
この時間を確保して、コツコツ勉強を続けられるかどうかが、合格の鍵です。
②資格予備校や通信講座の活用
大学のサポートだけでは不十分な場合、資格予備校や通信講座を利用するのも一つの手です。
主な選択肢:
- 総合資格学院:合格者数No.1の大手予備校
- 日建学院:映像講義が充実
- TAC:担任制のサポート
- スタディング:低価格のオンライン講座
詳しくは、一級建築士通信講座11選の記事を参考にしてください。
③卒業後の職場環境
実は、卒業後の職場環境も合格に大きく影響します。
資格取得に有利な職場の特徴:
- 資格取得を奨励する社風がある
- 試験前に休暇や時短勤務ができる
- 社内で資格対策の勉強会がある
- 資格手当や報奨金が充実している
就職活動の際は、これらの点も確認しましょう。
私の実体験:
私が勤めていた会社では、一級建築士試験の1ヶ月前から、週2日は定時退社できる制度がありました。また、社内で先輩が開催する勉強会にも参加できました。
このサポートがあったからこそ、働きながらでも合格できたと思っています。
まとめ:大学は重要だが、努力次第で誰でも合格できる
長々と書いてきましたが、最後にまとめます。
大学別合格者数ランキングのポイント:
- ✓ 2024年度の1位は日本大学(142人)
- ✓ TOP10は私立大学が多い
- ✓ 偏差値と合格者数は必ずしも比例しない
- ✓ 合格者数の多さは在籍学生数も影響している
上位大学が強い3つの理由:
- ✓ 試験対策を意識したカリキュラム
- ✓ 豊富な人脈とOB・OGネットワーク
- ✓ 充実した学習環境と設備
大学選びのポイント:
- ✓ 合格者数だけでなく合格率も考慮する
- ✓ 資格取得支援制度を確認する
- ✓ 実務経験を積める環境があるか
- ✓ 立地と通学のしやすさ
- ✓ 卒業生の就職実績
最も重要なこと: 一級建築士試験の合格は、大学だけでは決まりません。本人の努力が最重要です。
私自身、偏差値がそれほど高くない大学出身ですが、コツコツ努力して一級建築士に合格できました。今では、東大早慶出身の方々と同じフィールドで仕事をしています。
「良い大学に入れなかったから、一級建築士は無理かも...」と諦める必要は全くありません。正しい勉強法で、努力を続ければ、誰でも合格できます。
このブログでは、合格するための勉強法も詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。応援しています!
次のステップ:一級建築士を目指す方へ
1. まずは受験資格を確認する
一級建築士になるにはの記事で、受験資格や最短ルートを確認しましょう。
2. 試験の難易度を知る
一級建築士の合格率の記事で、試験の難易度を把握しましょう。
3. 勉強法を学ぶ
一級建築士の勉強時間の記事で、効率的な勉強法を学びましょう。
4. 通信講座も検討する
一級建築士通信講座11選の記事で、自分に合った講座を探しましょう。
5. 合格後の未来をイメージする
一級建築士のすごさの記事で、合格後の明るい未来をイメージしましょう。
