一級建築士を目指す多くの受験生が、この選択で悩みます。
そして、周囲の合格者に聞くと、「私は総合資格で合格した」「僕は日建学院だった」という声が聞こえてきます。
しかし、ここで重要なのは、「大手に通えば合格できる」という単純な話ではないということです。
まず、費用の現実を直視しましょう。総合資格も日建学院も、学科+製図のフルセットコースで受講すると、100万円を超えます。
これは、大卒の初任給の約5ヶ月分に相当する金額です。
この大金を払って資格学校に通っても、残念ながら全員が合格するわけではありません。合格率は、総合資格が公表している数字で約40%前後、日建学院も同程度です。つまり、100万円払っても、半数以上は不合格になるという現実があります。
結論を先に言えば、「自分に合うスタイルを選ばないと、その大金が無駄になるリスクがある」のです。
この記事では、総合資格と日建学院の費用・合格率・サポート内容を徹底比較し、さらに「第3の選択肢」として、費用を抑えて合格する方法も解説します。
この記事を読めば、「100万円払う前に知っておくべきこと」がすべて分かります。
こんな方におすすめ
- 一級建築士を目指すなら、大手の資格学校に通うべきだろうか
- 総合資格と日建学院、どっちを選べばいいのか
総合資格 vs 日建学院:費用の徹底比較表
まず、多くの受験生が最も気になる「費用」から見ていきましょう。
| 項目 | 総合資格 | 日建学院 |
|---|---|---|
| 学科本科コース | 約55万円〜65万円 | 約50万円〜60万円 |
| 製図本科コース | 約55万円〜65万円 | 約50万円〜60万円 |
| 学科+製図セット | 約100万円〜120万円 | 約95万円〜110万円 |
| 教材費 | 受講料に含まれる | 受講料に含まれる |
| 模試(学科・製図) | 受講料に含まれる | 受講料に含まれる |
| 自習室利用 | 無料(校舎による) | 無料(校舎による) |
この表を見て分かる通り、総合資格と日建学院の費用は、大きな差はありません。どちらも「学科+製図のフルセット」で100万円前後が相場です。
ただし、これは「定価」です。実際には、以下のような割引制度があります。
安く受講する裏技:割引制度を最大限に活用する
早期申込割引として、試験の1年前までに申し込むと10〜20万円の割引が受けられることがあります。
学生割引として、大学生や専門学校生であれば、学生証の提示で10〜15万円程度の割引が適用されます。
再受講割引として、前年度に受講して不合格だった場合、再受講割引が適用され、約30〜50%オフになります。紹介割引として、知人・友人からの紹介で受講すると、5〜10万円の割引が受けられます。
これらの割引を組み合わせると、定価100万円のコースが70〜80万円程度で受講できることもあります。
まずは、各校の公式サイトや校舎に問い合わせて、「どの割引が使えるか」を確認しましょう。
教育訓練給付金制度で実質負担を軽減
もう一つ重要なのが、「教育訓練給付金制度」です。
総合資格と日建学院の一級建築士講座は、多くが厚生労働省の「専門実践教育訓練給付金」の対象講座に指定されています。
この制度を利用すると、受講費用の最大70%(上限56万円)が国から給付されます。
例えば、100万円のコースを受講した場合、56万円が給付され、実質負担額は44万円になります。
ただし、この給付を受けるには、「雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回利用の場合は2年以上)」などの条件があります。
この制度を使えば、「100万円のコースが実質50万円以下」になる可能性があります。
受講を検討している方は、必ずハローワークで給付金の対象になるか確認しましょう。
なぜこんなに高い?両校の強みと特徴の差
「100万円も払う価値があるのか?」という疑問は、当然です。
ここでは、総合資格と日建学院それぞれの強みを解説し、「この費用に見合う価値があるか」を考えていきましょう。
総合資格:対面指導、圧倒的な資料量、強制的な学習環境
総合資格の最大の強みは、「対面指導」と「強制的な学習環境」です。
総合資格の授業は、基本的に教室での「ライブ授業」です。講師が目の前で解説し、その場で質問できます。
この「ライブ感」が、通信講座にはない緊張感と集中力を生みます。
また、総合資格は「圧倒的な資料量」でも知られています。学科試験の対策では、過去問だけでなく、オリジナルの予想問題、分野別のまとめ資料、暗記カードなど、膨大な資料が配布されます。
製図試験では、エスキスのパターン集、作図の手順書、記述の模範解答集など、細かい部分まで網羅された資料が提供されます。
さらに、総合資格は「強制的な学習環境」を作ることに長けています。毎週決まった時間に授業があり、宿題が出され、小テストがあります。
この「サボれない環境」が、自分一人では勉強を続けられない人にとって、大きな支えになります。
私の知人で、総合資格で合格した人がいますが、「一人だと絶対にサボっていた。毎週授業があるから、やらざるを得なかった」と言っていました。
日建学院:高品質な映像授業、全国に広がる教室網、模試の精度の高さ
日建学院の最大の強みは、「高品質な映像授業」です。
日建学院の授業は、基本的に「映像授業」です。プロの講師が撮影したハイクオリティな映像を、各校舎で視聴する形式です。
この映像授業の質が非常に高く、「分かりやすい」と評判です。
映像授業のメリットは、「自分のペースで学習できる」ことです。分からない部分は巻き戻して何度でも見直せます。
また、仕事の都合で授業に出席できなかった場合も、後日映像で視聴できるため、遅れを取り戻せます。
さらに、日建学院は「全国に広がる教室網」も強みです。全国約100校以上の校舎があり、転勤や引っ越しがあっても、最寄りの校舎で引き続き受講できます。
また、日建学院の「模試の精度の高さ」も評価されています。
日建学院の模試は、本試験の傾向を非常に正確に予測していると言われており、「日建の模試で合格ラインを超えていれば、本番でも合格できる」という受験生も多いです。
私自身、日建学院の模試を受けたことがありますが、本番の試験と難易度や出題傾向が非常に似ており、「本番のシミュレーション」として非常に有効でした。
「講師の質」や「自習室の使い勝手」:費用に見合う価値があるか
総合資格も日建学院も、講師の質は高いです。
どちらの学校も、一級建築士の有資格者で、実務経験が豊富な講師が指導します。
ただし、「講師との相性」は人それぞれです。総合資格の講師が合う人もいれば、日建学院の映像講師の方が分かりやすいと感じる人もいます。
可能であれば、体験授業や説明会に参加して、講師の雰囲気を確認することをおすすめします。
自習室については、どちらの学校も、受講生は無料で利用できます。
ただし、校舎によって広さや混雑具合が異なるため、実際に見学してから決めるのが良いでしょう。
「100万円の価値があるか」という問いに対しては、「強制力が必要な人にとっては価値がある」というのが私の結論です。
逆に、「自分で計画を立てて勉強できる人」にとっては、100万円は割高に感じるかもしれません。
【重要】大手予備校に通っても「落ちる人」の共通点
ここで、残酷な現実をお伝えしなければなりません。
総合資格や日建学院に通っても、不合格になる人は大勢います。
公表されている合格率は約40%前後ですが、これは「最後まで授業に出席し、課題をこなした人」の合格率です。
途中で脱落した人を含めると、実質的な合格率はさらに低くなります。よく注釈を見ると書かれています。
では、なぜ100万円も払って大手予備校に通っているのに、落ちてしまうのでしょうか。
「通学=合格」ではない現実
多くの受験生が陥る罠は、「資格学校に通えば合格できる」と思い込むことです。
しかし、資格学校はあくまで「道具」です。
包丁を買っても、使い方を間違えれば料理は上手くなりません。同じように、資格学校に通っても、「使い方」を間違えれば合格できません。
資格学校に通って落ちる人の共通点は、「授業を聞くだけで満足してしまう」ことです。
授業を聞いて、「分かった気」になり、復習をしない。課題も、答えを写すだけで、なぜその答えになるのかを理解しない。
これでは、どれだけ高品質な授業を受けても、実力は上がりません。
結局は「自学自習の質」と「エスキスの解法メソッド」
一級建築士試験、特に製図試験で重要なのは、「自学自習の質」です。
製図試験は、エスキス(計画)が最も重要です。どれだけ作図が速くても、エスキスで間違った間取りを組み立ててしまえば、不合格です。
そして、このエスキスは、「資格学校の授業を聞いているだけ」では上達しません。自分で何度も練習し、試行錯誤し、「自分なりの解法メソッド」を確立する必要があります。
多くの資格学校では、「標準的なエスキスの手順」は教えてくれますが、「あなた個人に最適化された解法」までは教えてくれません。
結局、自分で「自分に合う方法」を見つける必要があるのです。
私自身、資格学校に通っていた時、講師の教える手順では時間内にエスキスが終わらず、苦労しました。
最終的には、自分なりに手順を改良し、「自分専用のメソッド」を確立することで、合格できました。
この「自学自習の質」を高めるためには、資格学校の課題をこなすだけでなく、「なぜこうなるのか」という本質的な理解が必要です。
製図試験のエスキスについては、一級建築士 製図試験「記述」対策の完全攻略ガイドで詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
費用を1/5に抑える!「通信講座+独自メソッド」という賢い選択
ここまで読んで、「100万円は厳しい」「でも、独学だけでは不安」と感じている方に、第3の選択肢をご提案します。
それは、「通信講座+独自メソッド」という戦略です。
通信講座なら20万円以下で学科+製図をカバーできる
近年、オンライン通信講座の質が大幅に向上しており、総合資格や日建学院に通わなくても、十分に合格レベルの学習ができるようになりました。
例えば、「スタディング」の一級建築士講座は、学科+製図のフルセットで約10万円〜15万円程度です。
総合資格の1/7以下の費用で、同等の内容をカバーできます。
スタディングの特徴は、スマホでもPCでも学習できる点です。通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を活用して、効率的に勉強できます。
また、過去問の肢別学習機能や、AI問題復習機能など、独学では難しい「弱点の自動抽出」も可能です。
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さらに、「総合資格学院のオンライン講座」も選択肢の一つです。通学コースよりも費用を抑えつつ、総合資格のノウハウを学べます。
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独自メソッドで「本質的な理解」を補う
通信講座の唯一の弱点は、「強制力がない」ことです。自分で計画を立て、自分で勉強を進める必要があります。
しかし、この弱点は、「独自メソッド」で補えます。
例えば、製図試験のエスキスでは、資格学校が教える「標準的な手順」だけでなく、「自分に最適化された手順」を確立することが重要です。
この「自分専用のメソッド」を作るためには、本質的な理解が必要です。
当サイトでは、こうした「本質的な理解」を深めるための記事を多数公開しています。
例えば、【建築士試験】法規の点数が爆上がりする「効率的な条文暗記術」と勉強のコツでは、法規の条文を「暗記」ではなく「理解」する方法を解説しています。
また、【製図試験】トレース時間を30分短縮する10のコツ!作図スピードを劇的に上げる手順と道具術では、作図スピードを上げるための具体的な手順と道具の使い方を紹介しています。
さらに、【学科試験】過去問は「肢別」で解くのが正解!学習効率を爆上げするおすすめツールと活用術では、学科試験の効率的な勉強法を解説しています。
これらの記事を活用することで、「資格学校では教えてくれない本質的な理解」を補い、通信講座だけでも十分に合格レベルに到達できます。
「100万円払う前に、まずは20万円の通信講座で勝負する」という戦略
私がおすすめするのは、「まずは通信講座で勉強してみて、足りない部分だけ資格学校の単科講座を追加する」という戦略です。
最初から100万円を払って資格学校に通うのではなく、まず20万円以下の通信講座で勉強を始めます。
そして、「製図のエスキスだけがどうしても理解できない」「模試を受けたい」という場合に、資格学校の「製図単科講座」や「模試だけのコース」を追加受講します。
この方法であれば、トータルの費用を40〜50万円程度に抑えられます。
100万円の半額以下で、必要な部分だけを資格学校でカバーできるのです。
私自身、1回目の受験では通信講座で勉強し、2回目の受験では学科+製図の本科コースを資格学校で受講しました。この組み合わせが、最もコストパフォーマンスが高いと感じました。
まとめ:あなたに最適なのはどっち?
ここまで、総合資格と日建学院の比較、そして第3の選択肢としての通信講座について解説してきました。
最後に、「あなたに最適な選択肢」をまとめます。
とにかく強制力が欲しい人 → 総合資格
「一人では絶対にサボってしまう」「誰かに管理されないと勉強できない」という人には、総合資格がおすすめです。
毎週決まった時間に授業があり、宿題が出され、小テストがあります。この「サボれない環境」が、あなたを合格に導きます。
費用は高いですが、「強制力」という目に見えない価値に100万円を払う価値があると感じるなら、総合資格を選びましょう。
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映像で効率よく学びたい人 → 日建学院
「自分のペースで勉強したい」「分からない部分は何度も見直したい」という人には、日建学院がおすすめです。
高品質な映像授業で、効率よく学習できます。また、全国に校舎があるため、転勤や引っ越しがあっても安心です。
費用は総合資格とほぼ同じですが、「映像授業の質」に価値を感じるなら、日建学院を選びましょう。
>>日建学院の講座を見てみる
コストを最小化して最短合格したい人 → 通信講座+当サイトのコンテンツ
「100万円は払えない」「でも、独学だけでは不安」という人には、通信講座+当サイトのコンテンツがおすすめです。
スタディングや総合資格のオンライン講座などの通信講座で基礎を固め、当サイトの記事で本質的な理解を深める。この組み合わせであれば、費用を1/5に抑えつつ、合格レベルに到達できます。
そして、製図試験のエスキスについては、【一級建築士】計画・環境設備の過去問&類似問題を攻略!初見の問題に強くなる「横断的」学習法で解説している「横断的学習法」を実践することで、資格学校に通わなくても十分に対応できます。
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一級建築士試験は、「お金をかければ合格できる」試験ではありません。
「正しい方法で、正しい努力を積み重ねる」ことが、合格への最短ルートです。
あなたに最適な方法を選び、合格を掴み取ってください。心から応援しています。



