「一級建築士を持っていれば、デベロッパーに転職できる?」「ハウスメーカーからデベロッパーに転職したい」「実務経験はどれくらい必要?」一級建築士として、より良いキャリアを目指す多くの方が、こうした疑問を抱いているのではないでしょうか。
結論から言います。一級建築士はデベロッパーで強みになりますが、資格だけでは転職できません。実務経験、特に大規模建築物の経験が必須です。
この記事では、ハウスメーカーからデベロッパーに転職した筆者が、2026年最新の情報をもとに、デベロッパー転職の条件と戦略を完全公開します。必要な実務経験、求められる資格、年収、転職のタイミングまで、すべてカバーしています。
デベロッパーとは?仕事内容と魅力
まず、デベロッパーとは何か、基本的なところから押さえておきましょう。
デベロッパーの定義
デベロッパー(Developer)とは、不動産開発を行う企業のことです。土地を取得し、建物を企画・開発し、販売や賃貸を行う――これがデベロッパーの主な仕事です。
代表的なデベロッパー企業
| 企業分類 | 代表企業 |
|---|---|
| 総合デベロッパー | 三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産 |
| マンションデベロッパー | 大京、野村不動産、長谷工コーポレーション |
| 商業施設デベロッパー | イオンモール、パルコ、ららぽーと |
| オフィスビルデベロッパー | 森ビル、ヒューリック |
デベロッパーの仕事内容
デベロッパーの仕事は、建築士とは大きく異なります。
デベロッパーの主な業務
- 用地取得
- 開発に適した土地を探す
- 地権者との交渉
- 企画・開発
- 建物の用途、規模、デザインを企画
- 収支計画、事業計画の策定
- 設計・施工管理
- 設計事務所、ゼネコンへの発注
- 工事の進捗管理
- 販売・リーシング
- マンション販売、オフィステナント誘致
- 資産運営
- 建物の管理、メンテナンス
デベロッパーの魅力
デベロッパーは、建築業界の中でも特に年収が高く、ホワイトな働き方ができる業界として人気です。
デベロッパーの魅力
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年収 | 平均800万円~1,200万円(大手) |
| 労働時間 | 残業少なめ、土日休み |
| 社会的地位 | 高い(有名プロジェクトに関われる) |
| キャリアパス | 幅広い(企画、開発、投資など) |
一級建築士はデベロッパーで強みになる
結論から先に言いますと、一級建築士という資格はデベロッパーの中でとても強みになります。
しかし、一級建築士だからと言ってデベロッパーに入れるかと言われるとそうではありません。
なぜ一級建築士が強みになるのか?
デベロッパーというのは不動産開発の会社です。不動産の事業をする会社はなぜか文系が多いのが実情です。
これは私が業界に疑問を持っているところですが、いわゆる〇〇不動産とか〇〇地所といったデベロッパーは文系出身が多いです。
では、なぜ理系が少ないのか。
理系は不動産に近い分野においては「建築」です。
しかし、建築は設計や工事管理という仕事がメインなので、不動産「開発」や「取引」とは少し仕事の方面が違ってきます。
つまり、建築出身の方は不動産開発を目指す人より、設計にいく方が圧倒的に多いのです。
デベロッパーが建築士を求める理由
しかし、不動産の開発をするとはいえ、何をどのように作るか計画をするのはデベロッパーです。
もし、そこに法的知識を把握した建築士の方がいると心強いと思いませんか?
デベロッパーが建築士を求める理由
- 建築法規の知識
- 建築基準法、都市計画法などの専門知識
- 法的リスクの回避
- 設計・施工の理解
- 設計事務所、ゼネコンとの折衝
- 工事の進捗管理
- コスト感覚
- 建築コストの見積もり
- VE提案
- 技術的判断
- 構造、設備の理解
- 品質管理
不動産は宅建士の資格がメインですが、建築の知識も不可欠です。その証拠に、宅建士試験の3割は建築士と同じ内容です。(建築基準法や都市計画法など)
不動産開発は資格がなくとも外部発注などで、業務は成り立つので独占業務などはありません。不動産の取引も仲介業者を通せば良いですしね。
しかし、やはり外部に依頼する前に内部に技術者やその知識を持った方がいれば心強いと思うのは当然です。
建築士でも実務経験を問われる【重要】
一級建築士は規模を問わず、設計や工事監理をすることができる資格です。
とはいえ、デベロッパーは仕事の規模が大きいので、資格があるからと言って、気軽に転職は難しいです。
住宅経験だけでは難しい
私も経験しましたが、住宅ばかりやっていた人間がいきなり商業施設の開発事業をすると言っても、一級建築士を持っていても仕事はとても困難なものになるでしょう。
デベロッパーが求める実務経験
| 経験分野 | 評価 | 理由 |
|---|---|---|
| 大規模建築物の経験 | ◎ | 商業施設、オフィスビル、マンションなど |
| ゼネコン・組織設計事務所 | ◎ | 大規模プロジェクトの経験 |
| ハウスメーカー(住宅のみ) | △ | 規模が小さい |
| 工務店 | △ | 規模が小さい |
| 設計事務所(小規模) | △ | 大規模経験がない |
求められる実務経験の具体例
デベロッパーが評価する実務経験
- 大規模建築物の設計・施工管理経験
- 商業施設(5,000㎡以上)
- オフィスビル(10階建て以上)
- マンション(100戸以上)
- テナント計画の経験
- 商業施設のテナントリーシング
- オフィスビルのテナント対応
- 法的整備の経験
- 建築確認申請
- 用途地域の変更、用途変更
- プロジェクトマネジメント経験
- 予算管理
- スケジュール管理
- 関係者調整
商業施設も詳細は触れませんが、テナントの計画や法的整備など特有なものが多いです。
そこでゼネコンや組織設計事務所に勤務していれば、大規模建築物の現場や設計計画について触れることができます。
それを現場知識として、転職することは多いにできます。そこに人柄だけでなく、資格を持っていたらデベロッパーの欲しい人材となることは大いに可能性はあるでしょう。
デベロッパー転職の条件【2026年最新】
デベロッパーに転職するには、具体的にどのような条件が必要なのでしょうか。
必須条件
デベロッパー転職の必須条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 一級建築士 | 必須(大手デベロッパーの場合) |
| 実務経験3年以上 | 大規模建築物の経験が必要 |
| 年齢 | 20代後半~30代前半が有利 |
歓迎条件
あるとさらに有利な条件
| 条件 | 評価 |
|---|---|
| 宅建士 | ◎ |
| 1級建築施工管理技士 | ○ |
| 英語力(TOEIC700以上) | ○ |
| MBA | ○ |
デベロッパー転職の年収
デベロッパーの年収相場(一級建築士)
| 年齢 | 年収 |
|---|---|
| 20代後半 | 600~800万円 |
| 30代前半 | 800~1,000万円 |
| 30代後半 | 1,000~1,200万円 |
| 40代 | 1,200~1,500万円 |
大手デベロッパーの場合、30代で年収1,000万円超えも十分可能です。
一級建築士は必ず取得しよう
一級建築士は建築業界内では価値が大きい資格です。
取得して損することはありませんし、数年で受からないと恥!みたいなこともありません。何年かかって取得しても価値がある資格です。
転職市場での一級建築士の価値
私は実際に転職時に直接エージェントに「一級建築士を持っていないと厳しい」という話をいただいたり、実際に求人数の変化にも資格の有無の実感を感じています。
一級建築士の有無による求人数の違い
| 資格 | デベロッパー求人数 |
|---|---|
| 一級建築士あり | 約200件 |
| 二級建築士のみ | 約30件 |
| 無資格 | 約5件 |
これが少しでもみなさんのやる気やモチベーションにつながれば嬉しいです。
まとめ
この記事の重要ポイント
- 一級建築士はデベロッパーで強みになるが、資格だけでは転職できない
- 大規模建築物の実務経験3年以上が必須
- ゼネコン・組織設計事務所の経験が最も評価される
- 住宅経験のみでは難しい
- 30代で年収1,000万円超えも可能
- 一級建築士は必ず取得すべき
デベロッパーへの転職は、一級建築士として最も年収が高く、ホワイトな働き方ができるキャリアパスの一つです。
2026年度、デベロッパー転職を目指しましょう!
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