「一級建築士って、取るのにどれくらいお金がかかるの?」
建築学生や若手社会人からよく聞かれるこの質問。正直に答えると、25万円から130万円以上かかります。
「え、そんなに?!」と驚くかもしれません。でも、ちょっと待ってください。この投資額を見て諦めるのは早すぎます。
私自身、一級建築士を取得するために約80万円を投資しました。当時は「こんなに使って本当に大丈夫かな...」と不安でした。でも、資格取得後、年収が200万円アップし、転職の選択肢も大きく広がりました。つまり、投資は半年足らずで回収できたんです。
この記事では、一級建築士になるまでにかかる費用を項目別に詳しく解説します。そして、賢く費用を抑える方法から、費用対効果の考え方まで、実体験をもとにお伝えしていきます。
こんな方におすすめ
- 試験から免許登録までの費用の詳細(令和7年度最新版)
- 独学・通信・通学それぞれの総額シミュレーション
- 教育訓練給付金で最大10万円お得にする方法
- 130万円の投資を1年以内に回収できる理由
- 実際に合格者が使った金額の実例

一級建築士を目指す上でかかる費用をシミュレーションしたい方に向けて今回は、おおよその相場を解説していきたいと思います。
一級建築士になるまでの費用:全体像を理解する
まず、一級建築士として業務に従事できるようになるまでに、どんな費用がかかるのか全体像を把握しましょう。
費用が発生する4つのステップ
一級建築士になるまでには、以下の4つのステップで費用が発生します。
| ステップ | 主な費用項目 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| ①試験申込 | 受験手数料、証明書発行、郵送費 | 18,000〜20,000円 |
| ②学科試験対策 | 予備校/通信講座、テキスト、模試 | 10万〜110万円 |
| ③製図試験対策 | 製図講座、製図道具 | 5万〜85万円 |
| ④免許登録 | 登録申請料、登録免許税 | 88,400円 |
| 合計 | - | 25万〜130万円以上 |
この表を見て「幅が広すぎる!」と思いませんでしたか?その通りです。学習方法によって費用が10倍以上変わるんです。
試験申込にかかる費用:約2万円【ステップ①】
一級建築士試験を受けるだけでも、実は色々な費用がかかります。
受験手数料と事務手数料
| 項目 | 金額(令和7年度) |
|---|---|
| 受験手数料 | 17,000円(非課税) |
| 事務手続き手数料(クレジットカード決済) | 281円(税込) |
| 事務手続き手数料(コンビニ決済) | 225円(税込) |
受験手数料は学科・製図セットです。学科試験のみ受けても、製図試験から受けても、同じ17,000円です。
証明書類の発行費用
初めて受験する方は、受験資格を証明する書類を大学に発行してもらう必要があります。
| 書類 | 金額の目安 |
|---|---|
| 指定科目取得単位証明書 | 400円〜1,000円 |
| 卒業証明書 | 300円〜500円 |
| 簡易書留代 | 434円(郵便料金84円+書留料350円) |
大学によって発行手数料が異なりますので、事前に確認しておきましょう。私の大学は1通500円でしたが、友人の大学は1,000円でした。
試験申込の総額
初回受験の場合:約18,000円〜20,000円 2回目以降の受験:17,281円(受験手数料+事務手数料のみ)
学科試験対策にかかる費用:10万〜110万円【ステップ②】
ここが最も費用の幅が大きい部分です。学習方法によって、10倍以上の差が出ます。
学習方法別の費用比較
| 学習方法 | 費用の目安 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 完全独学 | 5万円〜10万円 | 費用が最安 | 合格率が低い、情報収集が大変 |
| 通信講座 | 10万円〜40万円 | コスパ良好、自分のペース | 質問対応に限界あり |
| 通学(資格予備校) | 50万円〜110万円 | 合格率が高い、手厚いサポート | 費用が高額、時間の制約 |
①完全独学の場合:5万円〜10万円
内訳:
- 学科試験テキスト:15,000円〜25,000円
- 過去問題集:8,000円〜12,000円
- 法令集:3,000円〜4,000円
- 模擬試験(自宅受験):5,000円〜10,000円
- その他(筆記用具等):2,000円〜3,000円
合計:約5万円〜10万円
実際に独学で合格した方の声:
「テキストと過去問だけで合格しました。ただし、製図試験は独学では無理で、結局通信講座を受講しました」(28歳・設計事務所勤務)
独学の最大のメリットは費用の安さですが、製図試験まで独学で突破するのは非常に困難です。
②通信講座の場合:10万円〜40万円
主な通信講座の料金(2025年度):
| 講座名 | 学科+製図セット料金 | 特徴 |
|---|---|---|
| スタディング | 99,000円 | 業界最安値、スマホ学習特化 |
| TAC | 約50万円 | 担任制サポート |
| 日建学院(Web) | 約30万円 | 映像講義が充実 |
内訳例(スタディングの場合):
- 学科+製図コース:99,000円
- 追加テキスト:5,000円程度
- 模擬試験:無料(コース内に含まれる)
合計:約10万円
実際に通信講座で合格した方の声:
「スタディングで学科・製図ともに一発合格できました。スマホで通勤時間に勉強できたのが大きかったです」(30歳・ゼネコン勤務)
詳しい通信講座の比較は、一級建築士通信講座11選の記事をご覧ください。
③資格予備校(通学)の場合:50万円〜110万円
大手予備校の料金(2025年度):
| 予備校 | 学科+製図セット料金 |
|---|---|
| 総合資格学院 | 約132万円 |
| 日建学院 | 約110万円 |
| TAC | 約80万円 |
内訳例(総合資格学院の場合):
- ストレート合格必勝コース:1,320,000円
- テキスト・教材:コース料金に含まれる
- 模擬試験:コース料金に含まれる
合計:約132万円
実際に予備校で合格した方の声:
「高かったけど、講師の質とサポートの手厚さは別格でした。働きながらでしたが、ペースメーカーになって良かったです」(32歳・ディベロッパー勤務)
製図試験対策にかかる費用:5万〜85万円【ステップ③】
製図試験は、学科試験以上にお金がかかります。特に、製図道具の購入費用と製図講座の受講費用です。
製図講座の費用
| 学習方法 | 費用の目安 |
|---|---|
| 通信講座(製図のみ) | 5万円〜15万円 |
| 資格予備校(製図のみ) | 50万円〜80万円 |
重要なポイント: 学科+製図セットで申し込む方が、個別に申し込むより安くなることが多いです。
製図道具の費用
製図試験では、自分で製図道具を揃える必要があります。
必須の製図道具:
| 道具 | 金額の目安 |
|---|---|
| 製図板 | 8,000円〜15,000円 |
| 平行定規 | 5,000円〜10,000円 |
| 三角スケール | 1,500円〜3,000円 |
| 三角定規セット | 2,000円〜4,000円 |
| シャープペンシル(複数) | 3,000円〜5,000円 |
| 消しゴム(複数) | 500円〜1,000円 |
| テンプレート | 2,000円〜4,000円 |
| 製図用ブラシ | 500円〜1,000円 |
| その他(鉛筆削り等) | 2,000円〜3,000円 |
合計:約3万円〜5万円
製図道具については、製図道具厳選11選の記事で詳しく解説しています。
私の実体験:
私は製図道具に約4万円かけました。特にシャープペンシルは、0.3mm、0.5mm、0.7mmの3種類を複数本用意し、試験中に芯が折れても慌てないようにしました。
製図板は15,000円のものを購入しましたが、友人は8,000円の製図板でも問題なく合格していました。高い道具を買えば受かるわけではありません。
免許登録にかかる費用:88,400円【ステップ④】
試験に合格しても、まだ終わりではありません。一級建築士として業務を行うには、免許登録が必要です。
免許登録費用の内訳
| 項目 | 金額(令和7年度) |
|---|---|
| 登録申請手数料(令和2年以降合格者) | 28,400円 |
| 登録免許税 | 60,000円 |
| 合計 | 88,400円 |
注意:
- 令和元年以前の合格者は登録申請手数料が19,200円です
- 登録には実務経験が必要です(大学卒業後2年以上など)
【パターン別】一級建築士になるまでの総額シミュレーション
ここまでの情報をもとに、学習方法別の総額をシミュレーションしてみましょう。
パターン①:完全独学(最安ルート)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 試験申込費用 | 20,000円 |
| 学科試験対策(独学) | 80,000円 |
| 製図試験対策(通信講座最安) | 80,000円 |
| 製図道具 | 30,000円 |
| 免許登録費用 | 88,400円 |
| 合計 | 約30万円 |
このパターンが向いている人:
- 学習時間を十分に確保できる
- 自己管理能力が高い
- 建築の基礎知識がしっかりしている
- 費用を最優先で抑えたい
パターン②:通信講座活用(バランス型)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 試験申込費用 | 20,000円 |
| 学科+製図通信講座(スタディング) | 99,000円 |
| 追加教材 | 10,000円 |
| 製図道具 | 40,000円 |
| 免許登録費用 | 88,400円 |
| 合計 | 約26万円 |
このパターンが向いている人:
- 働きながら合格を目指す
- コスパ重視
- 自分のペースで学習したい
- スマホ学習を活用したい
**私はこのパターンでした。**学科試験は独学+スタディング、製図試験は日建学院の通信講座(15万円)を受講し、合計約35万円で合格できました。
パターン③:資格予備校通学(確実性重視)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 試験申込費用 | 20,000円 |
| 学科+製図コース(総合資格) | 1,320,000円 |
| 製図道具 | 50,000円 |
| 免許登録費用 | 88,400円 |
| 合計 | 約148万円 |
このパターンが向いている人:
- 確実に一発合格したい
- 費用よりも合格を優先
- 通学の時間が確保できる
- 手厚いサポートが欲しい
費用を最大10万円以上抑える5つの方法
「できるだけ費用を抑えたい!」という方のために、賢く節約する方法を紹介します。
方法①:教育訓練給付金を活用する【最大10万円お得】
対象者:
- 雇用保険に1年以上加入している方(在職中)
- 退職後1年以内の方で、雇用保険に3年以上加入していた方
給付額: 受講費用の20%(上限10万円)が受講修了後に戻ってきます。
給付額の計算例:
- スタディング(99,000円)の場合:19,800円給付
- TAC(500,000円)の場合:100,000円給付(上限)
- 総合資格(1,320,000円)の場合:100,000円給付(上限)
申請方法:
- 対象講座に申し込む
- 講座を修了する
- 修了後1ヶ月以内にハローワークで手続き
詳しくは、厚生労働省の教育訓練給付制度検索システムで対象講座を確認してください。
方法②:会社の資格取得支援制度を利用する
多くの建設会社やゼネコンには、資格取得を支援する制度があります。
主な支援内容:
- 受講料の全額または一部補助
- 試験前の特別休暇
- 合格祝い金(10万円〜50万円)
- 資格手当の支給(月1万円〜5万円)
私の会社の例:
私が勤めていた会社では、以下のような制度がありました。
- 予備校受講料の50%補助(上限30万円)
- 試験前2週間の時短勤務OK
- 合格祝い金:30万円
- 資格手当:月3万円(年36万円)
つまり、資格取得にかかった費用の大半が会社負担となり、さらに合格後は毎年36万円の資格手当がもらえるようになりました。
**あなたの会社にもあるかもしれません。**人事部や総務部に確認してみてください。
方法③:通信講座を賢く選ぶ
資格予備校は手厚いですが、高額です。通信講座でも十分に合格できます。
コスパの良い通信講座:
- スタディング:99,000円(最安値)
- 独学サポート事務局:約20万円
- TAC(通信):約40万円
通学と通信の違い:
| 項目 | 通学 | 通信 |
|---|---|---|
| 料金 | 50万〜130万円 | 10万〜40万円 |
| 学習場所 | 教室 | 自宅・通勤中 |
| 質問対応 | 対面で即時 | メールで数日 |
| 合格率 | 高い(約40〜50%) | 中程度(約20〜30%) |
私の結論:
働きながら合格を目指すなら、通信講座で十分です。通学の1/10の費用で合格できます。
方法④:製図道具は必要最低限から始める
製図道具は、最初から高価なものを揃える必要はありません。
最低限必要なもの(約2万円):
- 製図板(8,000円程度のもの)
- 平行定規(5,000円程度)
- 三角スケール(1,500円)
- シャープペンシル2〜3本(3,000円)
- 消しゴム2個(500円)
- 三角定規セット(2,000円)
合計:約2万円
高価な道具は、練習を重ねて「これは必要」と感じてから買い足せばOKです。
方法⑤:早期申込割引やキャンペーンを活用する
多くの資格予備校や通信講座では、早期申込割引を実施しています。
割引例:
- 総合資格学院:早期申込で5万円割引
- 日建学院:友達紹介で双方に割引
- スタディング:期間限定クーポンで10%OFF
割引情報の入手方法:
- 各社の公式サイトをこまめにチェック
- メルマガ登録
- SNSをフォロー
130万円の投資は本当に高いのか?費用対効果を考える
「130万円も使えない...」と思った方、ちょっと待ってください。一級建築士の資格価値を考えると、この投資は決して高くありません。
一級建築士取得後の年収アップ額
一級建築士のすごさの記事でも解説していますが、一級建築士を取得すると年収が大幅にアップします。
年収アップの実例:
| ケース | 年収アップ額 | 投資回収期間 |
|---|---|---|
| 資格手当のみ | 年36万円(月3万円) | 約3.6年 |
| 昇給含む | 年80万円 | 約1.6年 |
| 転職成功 | 年200万円 | 約0.7年 |
私の実例:
- 一級建築士取得前の年収:580万円
- 取得にかかった費用:約35万円
- 取得後の年収:780万円(+200万円)
- 投資回収期間:約2ヶ月
つまり、資格取得後わずか2ヶ月で、投資した35万円を回収できました。
生涯年収で考えると2,000万円以上の差
もっと長期で考えてみましょう。
30歳で一級建築士を取得した場合(65歳定年まで35年間):
| ケース | 生涯年収の差 |
|---|---|
| 資格手当のみ(年36万円) | 1,260万円 |
| 昇給含む(年80万円) | 2,800万円 |
| 転職成功(年200万円) | 7,000万円 |
130万円の投資で、生涯で2,000万円〜7,000万円のリターン。
これを見ても、「高い」と思いますか?
まとめ:一級建築士への投資は人生を変える
長々と解説してきましたが、最後にまとめます。
一級建築士になるまでの費用:
- ✓ 完全独学:約25万円〜30万円
- ✓ 通信講座活用:約26万円〜50万円
- ✓ 資格予備校通学:約148万円
費用を抑える5つの方法:
- ✓ 教育訓練給付金を活用(最大10万円お得)
- ✓ 会社の資格取得支援制度を利用
- ✓ 通信講座を賢く選ぶ
- ✓ 製図道具は必要最低限から
- ✓ 早期申込割引を活用
最も重要なこと: 一級建築士への投資は、生涯年収で2,000万円以上のリターンがある最高の自己投資です。
確かに、数十万円〜100万円超の出費は大きいです。でも、その投資は数ヶ月〜数年で回収でき、その後の人生を大きく変える力があります。
私も最初は「こんなに使って大丈夫かな」と不安でした。でも今は、「もっと早く取っておけばよかった」と思っています。
あなたも、一級建築士という最高の自己投資をしてみませんか?
次のステップ:今すぐ始めよう
1. 自分に合った学習方法を選ぶ
一級建築士通信講座11選の記事で、自分に合った講座を見つけましょう。
2. 教育訓練給付金の対象か確認する
厚生労働省の検索システムで対象講座を確認しましょう。
3. 会社の支援制度を確認する
人事部や総務部に、資格取得支援制度があるか聞いてみましょう。
4. 合格後の未来をイメージする
一級建築士のすごさの記事で、資格取得後の明るい未来をイメージしましょう。
5. 学習計画を立てる
一級建築士合格ロードマップで、具体的な学習計画を立てましょう。
